サイエンス

2025.03.22 15:00

アボカドの栽培は7500年前から その過程でタネは巨大化、食用部分も増える

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「良い候補となるのは、遺伝子の面で人間の操作に対して柔軟で、人間が手を加えた環境にも適応できるものだ」とヴァンデルワーカーはいう。さらに「この特定のケースで注目すべきは、植物と動物の違いではなく、一年草と多年草の違いだ。トウモロコシのような一年草は毎年植えなければならないため、種子の選択も毎年行われる。つまり、栽培化が急速に進む可能性がある。一方、アボカドのような木は植えてから実がなるまでの期間がはるかに長い」と続けた。

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「したがって、人間が畑で農業を行う場合と森で行う場合とでは、その方法は大きく異なっているはずだ」とも指摘した。「実際、私たちのデータでは、アボカドが栽培化されていた時代から少なくとも5500年さかのぼった頃から人々はアボカドを食べていたことが示されている。また、栽培化の3000年前から人々は果実の大きさを管理するために木の手入れ(おそらく間引きや刈り込み)を行っていた。さらに、トウモロコシが完全に栽培化されるようになる前に、ホンジュラスではアボカドが栽培されていたことがわかっている」

この研究で明らかになったことで最も驚いたことについて、ヴァンデルワーカーは「トウモロコシがその地で栽培されるようになる前にアボカドが完全に栽培化されていたという事実」を挙げた。

「トウモロコシはやや乾燥したメキシコ西部(ゲレロ州)で栽培化された。アボカド(およびその他の木になる果実)は中米の新熱帯区で栽培化された」という。

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したがって、メソアメリカの農業の複雑さを理解することは、科学者が当初考えていたよりもはるかに複雑だ。

「2つのまったく異なる環境で、その地の先住民のグループが平行して発展した。徐々にその地域の植物に詳しくなり、植物の成長を管理して2つのまったく異なる栽培法を試した」とヴァンデルワーカーは述べた。

「メソアメリカでは、アボカドは農業の発展を理解する上でトウモロコシと同じくらい不可欠な存在であることは明らかだ」

さらに、アメリカ大陸には家畜が存在しなかったため、先住民は昆虫や魚、野生動物を獲ってタンパク質や脂肪を摂取していた。だが、ヴァンデルワーカーによると、野生動物は家畜よりもずっと脂肪分が少ない。

「アボカドは多価不飽和脂肪が豊富なため、この脂肪不足を補う」とヴァンデルワーカーは話す。「アボカドは採集者や自給自足の農民にとって完璧な食品。私たちにとっても完璧な食品だ!」

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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