次に「年次別・新築マンション竣工棟数」を見ると、東京都23区の新築マンション竣工棟数は2000年をピークに減少を続けている。新築物件の供給が追いつかないため、築年の浅い富裕層向け中古マンションへの需要が高まり、結果的に高騰を招いているとも考えられる。

チャレンジ価格での成約も高騰の原因に
下記は東京都港区の『シティタワー麻布十番』における成約坪単価の時系列推移を示しているグラフだ。赤い点線は近似曲線(散布図データの傾向)であり、通常はこの周辺に沿って価格が形成される。しかし、富裕層向けマンションでは「チャレンジ価格」と呼ばれる期待値を上乗せした価格で売り出されることが多く、成約価格もその水準に追従しがちだ。チャレンジ価格が成約価格を押し上げることで、さらに高いチャレンジ価格が設定されるという価格上昇のスパイラルが形成されている。

富裕層向けマンションの高騰が続く中で、一般向けマンションとの価格乖離は拡大し続ける可能性がある。他にも価格上昇の背景には供給不足や投資目的の過熱が存在していることも無視できない。政策など何らかの施策が介入して適正な価格に落ち着くことを望むしかないが、それまでは我々も価格動向を冷静に見極めながら、実需に基づいた選択をしなくてはいけなくなるだろう。


