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AI

2025.03.20 08:00

マスクのAIデータセンター、発電施設から「発がん物質」放出で非難

Shutterstock.com

「稼働させた後に許可を求める」アプローチ

現状、xAIがもつ施設の区分は、「小規模汚染源(minor source)」となっているが、同社は、メンフィスのホワイトヘブンと呼ばれる地区でも最近、7290万ドル(約109億円)で土地を購入し、2つ目の施設を建設中だ。xAIは、ここでも移動式ガスタービンを使用する可能性が高い。

現地の保健当局の担当者は、「ホワイトヘブンの施設についての許可申請は、まだ提出されていない」と述べているが、新たな移動式ガスタービンが追加されれば、すでに環境問題が深刻な南メンフィスの状況がさらに悪化することになる。

この地域にはかつて、EPAが「発がんリスクが高い」と結論付けた環境汚染を引き起こした医療機器の滅菌を行う企業が拠点を置いていた。さらに、その近隣では今も、粒子状物質や一酸化窒素、二酸化硫黄、一酸化炭素を排出する石油精製所が稼働している。また、そこから約20キロメートルの地域には、かつての軍事廃棄物の処理場があり、長期的な有害物質の除去が必要な場所に指定されている。もしホワイトヘブンに新たに移動式タービンが追加されれば、一酸化窒素やホルムアルデヒドの排出がさらに増え、状況は一層悪化することになる。

サザン・エンバイロメンタル・ロー・センターのアンダーソン弁護士は、xAIの「まず稼働させて、後で許可を求める」というやり方は異例であり、すでに環境被害を受けている地域社会に対する敬意を欠いているとフォーブスに語った。

「これは極めて異常で、非常に奇妙なやり方だ。私は、この分野で8年間働いてきたが、こんなことは一度も聞いたことがない。彼らの行動は、メンフィスの人々への完全な軽視と無関心の表れだ」とアンダーソン弁護士は述べている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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