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サイエンス

2025.03.20 18:00

絶滅の危機に瀕する世界一大きく臭い花「ラフレシア」、詐欺師のような生態と保護の動き

Mazur Travel / Shutterstock.com

ソログッド博士らの評価では、判明しているラフレシア属のすべての種のうち60%が、アブラヤシのプランテーションや、単作物栽培への転作や、木材採取を目的とした大規模な森林伐採と生息地の破壊によって、深刻な絶滅の危機に直面している。

ソログッド博士らは、個体数がわずか数百個体と推定される個体群が多いと報告している。さらに、ラフレシアの既知の生息地のうち、少なくとも67%がまったく保護されておらず、このことで、ラフレシア全体の脆弱性がいっそう高まっているという。

「憂慮すべきことに、最近の観察では、学術的に知られる前に絶滅していっている分類群があることが示唆されている」(文末に、論文の情報を掲載)。

観光でラフレシアの花を見に訪れる旅行者も多い(Shutterstock.com)
観光でラフレシアの花を見に訪れる旅行者も多い(Shutterstock.com)

このすばらしい植物の保護と保全のため、私たちには何ができるのだろうか。

ソログッド博士らは「分類学の強化、生息地外での繁殖、エコツーリズム、保護区の拡大などを組み合わせた、多面的な保護アプローチを提案する」と書いている。このアプローチには、生息地の保護に向けて人々の意識を高めるソーシャルメディアキャンペーンも含めるべきだ。さらにソログッド博士らは、現地のコミュニティーがラフレシアの保護で潤うように、エコツーリズムを推進している。

「現地の人々は、我々の森林における最大の番人だ。ラフレシアの保護プログラムは、現地コミュニティーの協力があると、はるかに成功しやすくなる」

「最後に私たちは、ラフレシアを、アジアの熱帯地方における植物保全の新しい象徴として確立することを提案する」ソログッド博士らは、自分たちの願いをそう綴っている。「複合的なアプローチによって、世界で最もすばらしい花たちが救われるかもしれない。その大半はいま、失われる瀬戸際にある」

出典

Pastor Malabrigo Jr., Adriane B. Tobias, Joko Witono, Sofi Mursidawati, Agus Susatya, Mat Yunoh Siti-Munirah, Adhityo Wicaksono, Reza Raihandhany, Sarah Edwards, and Chris J. Thorogood (2025). Review: Most of the world’s largest flowers (genus Rafflesia) are now on the brink of extinction, Plants, People, Planet 7(2):331–346 | doi:10.1002/ppp3.10431

forbes.com 原文

翻訳=緒方亮/ガリレオ

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