現在、AMD、インテル、エヌビディア、クアルコムなど数多くのベンダーが高度な処理ソリューションを提供している。センサー分野ではams OSRAM、Analog Devices、Honeywell、NXP、ON Semiconductor、STMicroelectronics などが先進的な技術を開発し、MediaTek、NXP、クアルコム、Silicon Labs、TIなどが無線通信や位置情報ソリューションを提供している。加えて、フィジカルAI時代を可能にする豊富で不可欠なエコシステムを構成する何百ものシステムコンポーネントやベンダーが存在する。
さらに、高度なロボット訓練やシミュレーション、管理を行うプラットフォームも進化している。中でも注目されるのがエヌビディアの各種プラットフォームだ。エヌビディアは10年以上にわたり、Jetsonシリーズといったエッジ向けハードウェアからクラウドベースのGPUトレーニングソリューション、さらにはIsaac sim、Omniverse、Cosmos、GR00T、Fleet Managementといったソフトウェアまで開発し、単一のロボットから複数台のロボット群に至るまでのシミュレーション、訓練、管理を可能にしている。今週サンノゼで開催される2025年GPUテクノロジーカンファレンス(GTC)では、ロボティクスやフィジカルAIに関するさらなる発表があるだろう。
この1年で、大規模なテクノロジー関連展示会において数多くのヒューマノイドロボットを見てきたが、これほど印象的だったことはない。ボストン・ダイナミクスのロボットが障害物コースを走破するのを見るのも驚きだが、ロボットが歩み寄ってきて握手を交わし、会話を始める様子はまったく別次元である。新型コロナウイルスの影響や続く人手不足が、多くの産業セクターでAIや自律システム、ロボットを導入する追い風となってきたが、エージェント型AIの登場により、まさにロボット、あるいはジェンスン・フアンの言う「フィジカルAI」の時代に突入しつつある。2025年をロボットの年と呼ぶには、まだ多くのイノベーションが控えているため難しいかもしれない。しかし、2030年にかけて、知的ロボットは社会のあらゆる側面に進出し始めるだろう。


