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窮地のUbisoft、『アサクリ シャドウズ』にかかる社運

(c) Ubisoft

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仏ゲーム開発大手Ubisoft(ユービーアイソフト)の人気シリーズ最新作『アサシン クリード シャドウズ』が、いよいよ20日に発売される。ファンからの10年来の要望に応え、舞台はついに日本の戦国時代となる。

Ubisoftとしては、2020年の『アサシン クリード ヴァルハラ』以来、ここ数年で最大の期待作であることは間違いない。『ヴァルハラ』はシリーズと同社の歴史いずれからみても大ヒット作となったが、苦境に立たされているUbisoftが現在の形で存続するためには、『シャドウズ』も同じレベル、あるいはそれ以上のヒット作となる必要があるだろう。

Ubisoftの株価は2020年から77%下落しており、昨年だけでも30%値下がりした。つい最近の2024年12月には、同社の株主が、創業者一族の会社支配権を維持しつつも事業を売却する方法について議論していることが報じられた。また数日前には、第三者企業にUbisoftの株式を売却し、同社のIP(知的財産)を所有させることが検討されていることも明らかになった。現在の時価総額はわずか17億5000万ドル(約2600億円)と、ソニーが2022年にBungie(バンジー)買収に投じた金額の半分程度だ。しかも、UbisoftがさまざまなIPを保有している一方、Bungieは買収された際に『Destiny 2』しか運営していなかった。

Ubisoftはこれだけ多くのIPを持っているがゆえに、『シャドウズ』を大ヒットさせなければいけない状況に置かれている。『アサシン クリード』は同社最大の人気シリーズだ。今後投入される予定のタイトルをみてみても、これに近い期待作があるとは考えにくい。発売が控えるタイトルには例えば、『アサシン クリード』と『ディビジョン』のモバイルゲームがある。『Far Cry 7』はいずれ発売されるだろうが、人気度では『アサシン クリード』シリーズには及ばない。『ディビジョン3』の開発も発表されているが、発売時期は日付どころか年さえも決まっていない。Ubisoftは『Beyond Good and Evil 2』の開発をまだ続けていると強調しているが、同作はかれこれ7年前の2018年に予告映像が公開されたきりだ。

問題は、たとえ『シャドウズ』がヒットしたとしても、『ヴァルハラ』が10億ドルを売り上げた2020年と現在とでは、明らかに状況が異なることにある。前述の通り、Ubisoftの時価総額はそれ以来77%下落しており、10億ドルは時価総額のほぼ3分の2に相当する。

次ページ > Ubisoftは、『アサシン クリード』シリーズに今も人々を引き付ける力があることを願わざるを得ないだろう

翻訳・編集=遠藤宗生

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