BCI市場は800億ドル規模に成長
モルガン・スタンレーは、昨年10月の報告書で、BCIの市場が2035年までに800億ドル(約11兆8000億円)規模に成長する可能性があると予測した。ただし、これはNeuralinkが開発するような埋め込み型のBCIデバイスのみを対象とした市場規模の推計だ。
埋め込み型デバイスには一定の利点があるものの、Cognixionのフォースランドは外科手術を用いない非侵襲的なBCIデバイスのほうが、より大きな市場をターゲットにできると考えている。同社は、このデバイスをALSの患者だけでなく、脳性麻痺や多発性硬化症、てんかんなどのさまざまな症状に苦しむ人々の支援に役立てることで、2035年までに300万人以上のユーザーを獲得することを目標としている。
Cognixionは、今秋に10人の患者を対象とした最初の臨床試験を終えた後、50人規模の第2試験を計画している。そこで良好な結果が得られれば、すでに米食品医薬品局(FDA)から「ブレークスルー・デバイス」の指定を受けているAxon-Rの承認プロセスが加速する可能性が高い。
「ニューラリンクのような企業が初期の困難に直面している一方で、私たちはすでに10人の患者を支援しようとしている。長年にわたり沈黙の中に居た人々が、再び会話を取り戻すことを期待している」とフォースランドは語った。