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2025.03.16 08:00

「うる覚え」と「うろ覚え」正しいのは?正しい使い方と類義語・言い換え表現を例文付きで徹底解説

「うろ覚え」の意味とは?

「うろ覚え」とは、「はっきりと覚えていない曖昧な記憶」を表す表現です。何かを頭に入れたはずだが、確信を持てるほど正確ではなく、断片的にしか思い出せない状態を指します。読書や勉強、会話などで学んだ内容が、あやふやな形でしか残っていないときによく使われます。


例えば、「その手順についてはうろ覚えだから、もう一度調べてみるね」という文面で「うろ覚え」を使うと、「自分は確かな根拠がないまま記憶している状態です」という意味合いが伝わります。この言葉自体は日常会話からビジネスシーンまで広く使われており、状況によって丁寧な形に変化させやすい表現です。


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「うる覚え」は誤用?

結論として、「うる覚え」は一般的には誤用とされます。「うる覚え」は「うろ覚え」が訛ったか、聞き間違え・思い違いによって使われるようになった形であり、辞書的には正しい日本語とは見なされません。


インターネット上や会話の中で「うる覚え」が使われる例も少なくありませんが、ビジネスや公的な場面では誤用と受け止められ、相手からの信頼を損なう可能性があります。「うろ覚え」が正しい表現であることを理解し、重要な文書やメールには「うる覚え」を使わないように心がけましょう。

ビジネスシーンでの使い方

ビジネスの現場では、あいまいな記憶を指す表現として「うろ覚え」を使うことが想定されます。ただし、あまりに多用すると「事前準備不足」や「信頼性の低い発言」と捉えられかねないため、「うろ覚え」の言葉に頼りすぎないことが大切です。また、自分の記憶が曖昧だと認識したら、補足説明や後ほど正確な情報を再確認する姿勢を示すのが好ましいと言えます。

使い方のポイント

  • 必要に応じて「うろ覚えですので、後ほど再確認します」と伝えて、後日確かな情報を提供する
  • 会議やプレゼンの場で「うろ覚えですが~」と述べる場合は、そのまま話を続けるのではなく、補足資料や参考文献があれば示す
  • 業務上で正確性が重視される内容に関しては、初めから「うろ覚え」という状態を避ける努力が大切

自分の記憶が不確かだと伝えること自体は、誤情報を防ぐためにも有用です。しかし、適切な対処(追加調査・資料確認など)を怠ると信頼性の損失につながる恐れがあります。

「うろ覚え」に対する注意点

「うろ覚え」の用法は珍しくなく、日常会話でも自然に登場しますが、以下のような点に気を配っておけば、ビジネスコミュニケーションを円滑に進めやすくなります。

過度な多用は避ける

あまりにも頻繁に「うろ覚え」と言っていると、「この人は常に準備不足」「自信のない発言ばかりしている」という印象を与えてしまい、業務上の評価にも悪影響が及ぶ可能性があります。記憶が曖昧だと感じたなら、「後ほど確認します」と前向きに言い換える方法も検討しましょう。

正確性が求められる場面では使わない

契約内容や数値の報告など、きわめて正確な情報が重視される局面では、「うろ覚え」で済ませることは避けたいものです。あいまいな記憶を前提とする発言は、重大な誤解やミスに繋がる可能性があります。分からない場合は堂々と「今は分かりかねますが、後ほど確認いたします」と対応するのが賢明です。

類義語・言い換え表現

「うろ覚え」は「あいまいな記憶」という意味ですが、似たニュアンスを持つ他の表現を用いることで、より適切に状況を伝えられる場合もあります。ビジネスの場での多用を避けたいときや、よりフォーマルな言い回しをしたいときに覚えておくと便利です。

「曖昧な記憶」

正式な文書やビジネスメールでは「うろ覚え」よりもやや客観的な「曖昧な記憶」という表現を使うと、フランクすぎない印象を与えやすいでしょう。「曖昧な記憶ですので、再確認いたします」と書けば、状況を適切に伝えることができます。

「定かではない」

「定かではない」はビジネス文書や公式のやり取りにも向く表現です。「私の記憶が定かではありませんので、確認したうえで後ほどご報告いたします」と伝えれば、きちんとした印象を保ちながらも、現段階では正確ではないことを示すことができます。

「確かではない」

こちらも相手に対して控えめに「正確性を保証しかねる」ことを伝える言い換えとして使えます。丁寧語を加えた「確かではございませんが」などの形でビジネスの場にも応用可能です。

正しい使用例:ビジネスで「うろ覚え」を使う場合

以下、実際のビジネス会話やメールで「うろ覚え」を用いる例文を示します。もちろん、先述の注意を踏まえ、状況に適しているかどうかを判断したうえで使うようにしてください。

会議での発言

  • 「この部分については、私もうろ覚えなところがあるので、すぐに資料を調べて確認しますね。」

相手に不確かな情報であることを伝えつつ、後で補足説明をする意思を示します。

メールでの使用

  • 「申し訳ございませんが、詳細な金額はうろ覚えのため、社内システムを確認してから改めてご報告いたします。」

メールでは「うろ覚え」のまま発信せず、追って連絡する段取りを示すのが望ましいでしょう。


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まとめ

「うろ覚え」は「はっきりと覚えていない」「曖昧な記憶がある」という意味であり、正しい表現は「うろ覚え」であって「うる覚え」は誤用とされています。ビジネスシーンでも、自分の記憶や情報が不確かであることを端的に伝えるのに便利な言葉ですが、多用すると「準備不足」「不安定な発言が多い」と見られる可能性もあるため、注意が必要です。


代替表現には「曖昧な記憶」「定かではない」「確かではない」などがあり、ビジネス文書や会話のトーンに応じて使い分けるとよいでしょう。何より、誤解やミスを防ぐためにも、曖昧に覚えている内容をそのまま流すのではなく、「再度確認します」「後ほど詳細を調べます」といったフォローの姿勢が重要です。うろ覚えであることを伝えるだけでなく、確かな情報にアップデートする行動を示せば、相手からの信頼も得やすくなります。

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