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欧州

2025.03.13 09:00

ウクライナの欧州製SAMP/T防空システム、ロシア軍機を撃墜していた

シンガポール空軍のアステル30 SAMP/T地対空ミサイルシステム。2020年2月、シンガポール・チャンギ空港(Duc Huy Nguyen / Shutterstock.com)

ミサイルの供給不足

ウクライナ空軍は現在、SAMP/T2基、パトリオット6基を運用している。ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は2024年4月、ロシアの攻撃に対処するにはパトリオットか同等の防空システムが少なくともさらに7基必要だと訴えていた。

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SAMP/Tとパトリオットに関してはミサイルの供給も大きな問題だ。ウクライナが両システム用のミサイルをこれまでに何発受け取ったのかは不明だが、ジョー・バイデン前米政権の手配で今年1月、イスラエルの在庫からウクライナにパトリオットミサイル約90発が供与されることになり、大きなニュースになったのは思い出しておきたい。

米ロッキード・マーティンはパトリオットミサイルを年間500発ほど生産しており、2027年までに年算数を650発へ引き上げることを目指している。ドイツでもパトリオットミサイルの新工場が建設されているものの、生産体制が整うまでには数年かかりそうだ。ロッキード・マーティンが掲げるパトリオットミサイルの年産目標数は世界全体でも750発にとどまる。

SAMP/Tのアステルミサイルはもっと少ない。フランスとイタリアは2022年、アステルを計700発発注した。両国と、軍艦からアステルを発射する英国は、このミサイルを新たに計220発ほど調達する予定だ。これらのアステルの一部はウクライナに渡される可能性がある。より可能性が高いのは、3カ国がすでに保有しているアステルをウクライナに譲渡し、減った分をこれらの新規調達で補充するというものだろう。

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とはいえ、欧州のミサイルメーカーであるMBDAは現状、アステルの生産に2年ほど要しているとみられる。パトリオットの生産に要する時間よりも数カ月長く、ウクライナを救うには明らかに遅すぎる。

forbes.com 原文

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