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2025.03.15 08:00

「趣旨」と「主旨」の違いとは?意味と正しい使い分け、ビジネスシーンでの使い方を例文付きで徹底解説

「趣旨」と「主旨」の意味とは?

「趣旨」とは、「物事を行う際の目的・狙い・考え方」など、全体として何を意図しているのかを示す言葉です。例えば、ある会議やイベントの開催目的を一言でまとめる場合などに「今回の会議の趣旨は、◯◯の改善策を話し合うことです」のように使われます。特に、多様な話題を含む場面や文章において全体を通じての着眼点や方向性を指し示す際に利用されることが多いでしょう。

一方、「主旨」は、文章やスピーチなどの中核となる内容や結論、最も言いたいことを指します。文章構造やプレゼンの論点などにフォーカスして、「このレポートの主旨は◯◯という提案です」といったように用いられます。つまり「主旨」は「主たる目的」「核心的な言い分」を示す概念に近く、「趣旨」が全体的な意図や方向性を示すのに対し、「主旨」はその中心となる主張や結論を強調するときに適するわけです。


「趣旨」と「主旨」の正しい使い分け

「趣旨」と「主旨」は、どちらも「何かの目的」や「言いたいことの骨子」を表すという点で似ていますが、具体的に使い分ける際には以下の観点を意識すると明確になります。

全体の方向性や大枠を示すなら「趣旨」

何かの行動や企画そのものの全体像、狙いや目的といった広範囲をカバーするのが「趣旨」です。会議や勉強会などで「全体の意図」「開催趣旨」を説明したり、書類の冒頭で「この書類を作成した背景や思い」を示したりするときに自然に使われます。

メインの結論や中心的議題なら「主旨」

文書やスピーチで、「どんな結論を伝えたいのか」「どの点が最重要なメッセージなのか」を示すには「主旨」が適しています。長文の報告書などで「ここが核心的内容ですよ」と際立たせたい場合、「本書の主旨は○○です」という形で書けば、読み手も理解しやすいでしょう。

ビジネスシーンでの使い方

ビジネス現場において「趣旨」と「主旨」は比較的よく使われる言葉です。特に企画書や会議の議題など、コミュニケーションの要所で、簡潔かつ的確に目的・結論を伝える場合に欠かせません。とはいえ、本来の意味の違いを知らずに一方のみを使い続けると、微妙に伝えたいニュアンスがズレることがあります。

例えば、新規事業の全般的な狙いや理由を説明する文書では「趣旨」を使い、プロジェクトの最終結論や提案内容を示したい場面では「主旨」を使うと、読み手が混乱しにくいでしょう。現場の会話でも「今回の会議の趣旨は○○です」と言えば全体の意図を示し、「この提案の主旨は○○を目指すことです」と言えば提案の中心的内容を明らかにできます。

ビジネス文書の例

  • 「プロジェクト全体の趣旨としては、社員のスキルアップを図ることが挙げられます。」
  • 「本報告書の主旨は、新規市場に参入する必要性を論じることです。」

これらを混同すると、「趣旨であるべきところに主旨と書いてしまい、読者に誤解を与える」ケースが考えられるため、注意が必要です。

誤解を招きやすいポイント

「趣旨」と「主旨」はどちらも「シュシ」と読まれるため、単に読み間違えや変換ミスが原因で使い分けがいい加減になってしまう場合があります。そうしたミスを避けるためには、下記のようなポイントに気をつけたいものです。

文脈をチェックする

これから書こうとしている文脈で、「全般的な狙いや大きな意図」を語っているのか、それとも「最終結論や重要な議題」を語っているのかを見極めると、どちらが適切か判断しやすくなります。

変換時の誤字に注意

パソコンで文章を入力するとき、「シュシ」と入力する際に「趣旨」か「主旨」かを正確に選択しているか注意しましょう。自動変換に任せてしまうと、誤って逆の字になっているケースが少なくありません。

類義語・言い換え表現

「趣旨」「主旨」と近い意味合いを持つ言葉として、いくつかの類義語・言い換え表現を挙げられます。状況によってこれらを使うことで、多面的に物事を説明することが可能になります。

「目的」

「趣旨」に近い意味を持つ言葉として「目的」があります。ある行動や企画を起こす「狙い」を表すために用いられ、概念的にやや広い範囲をカバーする傾向です。「目的」は幅広いシーンで使いやすい一方、ニュアンスがカジュアルになりがちなので、公式な文書では「趣旨」のほうが深みを帯びることもあります。

「要点」

文書やプレゼンの中核的主張を端的に示す表現としては「要点」が挙げられます。「これは本企画の要点です」と言えば、「主旨」と似た役割を果たしますが、要約をイメージさせるため、長い説明を簡潔にまとめたいときに便利でしょう。

「骨子」

「骨子(こっし)」は、文章や計画などの「骨組みとなる主要部分」を意味します。「このプレゼンの骨子は○○です」などと使うと、「文書や案の最も重要な構造やエッセンス」に焦点を当てている印象を与えられます。「主旨」と比較すると、やや理知的で論理的な雰囲気が強い表現です。

例文:ビジネスでの使用例

以下では、「趣旨」と「主旨」をビジネス文章や会話でどのように活用するかを想定した例文を示します。文脈や相手に合わせて使い分けてみるとよいでしょう。

「趣旨」の例文

  • 「今回のセミナー開催の趣旨は、社員のコミュニケーションスキル向上を図ることにあります。」
  • 「このプロジェクトの趣旨としては、既存システムの効率化とコスト削減を同時に目指すことを掲げています。」

上記の例では、「趣旨=全体の意図や目的」を示しています。複数の要素がある企画やセミナーなどで、その根本にある狙いを説明するときにぴったりです。

「主旨」の例文

  • 「このプレゼンの主旨は、新たな市場開拓に投資する必要性を訴えることです。」
  • 「会議資料の主旨は、新年度の売上目標と具体的な戦略案を提示する点にあります。」

「主旨」は一番言いたい主張や提案を指す際に用いられます。核となる論点や結論が何であるかを明快に伝えたい場合に適しています。


まとめ

「趣旨」と「主旨」は共に「何かの本質的な目的・内容」を表す言葉ですが、使い所が微妙に異なります。「趣旨」は企画や行動の「大きな目的や考え方」を示し、「主旨」は文章や発言の「中心となる論点や結論」を指すという点を押さえておけば、誤用のリスクを減らせるでしょう。


また、誤変換や混同を避けるためには、文章を書いた後にチェックを入れたり、どちらの意味が自分の意図に合致するのかを意識しておくことが重要です。場合によっては「目的」「要点」「骨子」などの類似表現を使い分けることで、より正確に伝わる可能性もあります。ビジネスシーンでも、これらの違いを理解しながら適切に用いることで、コミュニケーションの質を一層高めることができるでしょう。

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