サイエンス

2025.04.05 16:00

なぜ伝わらない? わかり合えるコミュニケーションのために抑えておきたい3つの技術

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2. 言語・非言語の手がかりを捉え、柔軟に対応する

優れたコミュニケーターは、発話内容そのものだけではなく、声の調子や表情、姿勢といった非言語の手がかりにも細心の注意を払う。前述の著書『Supercommunicators〜』の中でデュヒッグは、コミュニケーションの大半が非言語面から成り立っていると強調している。顔の表情や身体の動き、声の抑揚などが、ときに言葉以上に多くを物語るのだ。

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たとえば相手が「大丈夫だ」と言っていても、腕を組んでいたり声がこわばっていたりすれば、実際には大丈夫ではない可能性が高い。このようなさりげないサインを見逃さないことで誤解を防ぎ、やりとりをより有意義なものにできる。

『Journal of Nonverbal Behavior』誌に掲載された古典的な研究によれば、ボディランゲージや表情、姿勢などの非言語的要素に着目したほうが、言葉によるやりとりだけを重視するよりも、会話におけるラポール(相手との親密感や調和)を正確に判断できるという。ラポールは主に「目に見える」現象であり、人々の身体的・社会的ふるまいを観察すれば把握しやすいものだ。

同時に効果的なコミュニケーターは、場面や相手に応じて自分のコミュニケーションスタイルを調整する。たとえば職場で指示を出す場合には、きっぱりとした直接的な口調が役立つが、感情的なサポートを必要としている相手には冷たい印象を与えるかもしれない。逆に、温かく会話的なトーンは個人的な関係を深めるのに適していても、重大な交渉事では不向きな場合がある。

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言葉と、それがどのように発せられているかの両面を意識すれば、メッセージを明快かつ印象的に伝えられるだけでなく、相手からより好意的に受け取ってもらえる。

3. 思慮深い質問によってつながりを構築する

コミュニケーションにおいて最も強力なツールのひとつが、相手の心を開き、深い対話を引き出すための「質問」だ。デュヒッグは著書の中で、巧みに投げかける質問によって、表面的な会話が一気に深いやりとりへ変わると指摘している。適切な質問は信頼を生み、相手の開放を促し、より強いつながりを育むきっかけを作る。

コミュニケーションを強化する代表的な質問のタイプとは、次のようなものだ。

a. オープンエンド型 vs. クローズドエンド型

オープンエンド型の質問(例:「その出来事はどんな経験だった?」)は、答える側に思考を広げる余地を与える。一方、クローズドエンド型の質問(例:「それを好きだった?」)は「はい/いいえ」の単純な返答になりがちだ。深い会話を求めるならば、表現の余地があるオープンエンド型を意識するとよい。

b. 深い価値観を探る質問

事実関係を聞くだけでなく、自己分析や感情の深みを引き出す問いかけをする。たとえば「今日はどうだった?」という代わりに、「今日いちばん意味のあったことは何だろう?」や「最近ずっと考えていることは何だろう?」と聞くことで、相手はより深い部分で「理解されている」と感じやすくなる。

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翻訳=酒匂寛

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