ハーマイオニーも黒人に? ドラマ版ハリポタのキャスティングが物議

ドラマ版でハーマイオニー役に黒人女優がキャスティングされれば、こちらも多くの問題が生じるだろう。原作のストーリーでは、ハーマイオニーは、アーリア系を想起させるドラコ・マルフォイから「穢(けが)れた血」と呼ばれいじめられる。この言葉はもともと、魔法が使えない家系に生まれた魔女や魔法使いに対する人種差別用語とも言えるものだったが、ハーマイオニーが黒人となれば、さらなる人種的意味を帯びることは明らかだ。そして、屋敷しもべ妖精を奴隷の身分から解放しようとするハーマイオニーの活動が周囲から白い目で見られるという筋書きも、彼女が黒人であるとなると、異なる意味合いを持つようになるだろう。

最後に、こうしたキャラ設定の変更に対するインターネット上の過激な反応をみると、ハーマイオニー役を演じる無名の子役に対してそうした重圧をかけることは危険にも思える。

こうした問題を踏まえると、黒人の配役は避けるべきなのだろうか? スネイプ役などの設定変更は、それが原作のストーリーに人種差別的な要素を追加する可能性に気づかないまま、多様性を促進する目的で行われているように思える。このままドラマ版が放送されれば、制作側が意図していなかったような不快なシーンが登場するかもしれない。あるいはそうした要素は単にカットされるかもしれないが、それは良い解決策とは言えない。

白人ばかりの顔ぶれを少し多様化したいと思う制作側の考えのは理解できる。だが、スネイプやハーマイオニーといったキャラを選べば、ストーリーの面でも、俳優に対しても問題を生む恐れがあることは、きちんと考慮されていないようだ。黒人(あるいは原作にあまり登場しない他の人種)に設定を変えても問題がないであろう他のキャラクターはたくさんいる。最終的にどのようなキャスティングになるかはまだわからないが、ハーマイオニーが黒人となる場合、キャラクターと、それを演じる子役がどのような影響を受けるのかがいっそう心配だ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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