「過度に悲観的な予測」の可能性
また、GDPナウの数値は、過度に悲観的な予測を示している可能性がある。ゴールドマン・サックスによれば、アトランタ連銀の予測モデルは、安全資産としての金の輸入が急増したことの影響でゆがめられている可能性があるという。一方、ニューヨーク連銀の予測モデルは、第1四半期のGDP成長率をプラス2.9%と予測している。
JPモルガン・チェースのエコノミスト、ブルース・カスマンとジョセフ・ルプトンは7日のメモで、「米国の政策は、ビジネスにとって好ましくない方向に傾いているように見える。貿易戦争は我々の予想以上に激化しており、特に米国の成長に大きな波及効果をもたらすであろう北米で顕著だ」と述べていた。
米国経済研究所(NBER)によると、過去75年間で11回のリセッションが発生していた。直近2回の景気後退は、2000年代後半のグレート・リセッションと、2020年の「コロナ不況」だった。
ベッセント財務長官らを筆頭とするトランプ支持派の間では、弱い経済データをバイデン政権の責任とする声が増えている。しかし、データを見る限り、バイデン大統領の任期中の米国経済は全体的に堅調で、パンデミックによる世界的な景気減速が起こる前のトランプの1期目の任期中と同様に強かった。