モンテネグロとアルバニア EU圏外だが手頃で柔軟な選択肢
モンテネグロのデジタルノマドビザを申請するには、最低1400ユーロ(約22万4500円)の月収が求められる。同国のデジタルノマドビザでは、他の多くの欧州諸国のビザより長い、最長4年間の滞在が認められる。さらに、同ビザの保持者は今後、一定の税制優遇措置を受けられる可能性があるが、政府はまだ最終調整の段階にある。
アルバニアのデジタルノマドビザ申請者は、同国の国外に拠点を置く企業との契約関係を証明する書類を提示し、年間9800ユーロ(約157万1600円)以上の収入があり、経済的に自立できることを証明する必要がある。デジタルノマドビザを取得すると1年間の滞在が認められ、最大5回更新することができる。
このため、アルバニアは比較的低予算で欧州に滞在できる選択肢と言えるだろう。アドリア海からイオニア海まで450キロ以上の海岸線を持つアルバニアは、法外な料金を支払うことなく欧州の魅力を余すところなく満喫できるため、近年は珠玉の旅行先として注目を集めている。
アイスランドとエストニア 収入要件は欧州屈指の高水準
アイスランドは他に類を見ない景観と気候を持つ魅力的な国だが、収入の少ない人にとっては理想的ではないかもしれない。アイスランドで半年間有効なデジタルノマドビザを取得するには、最低でも7075ユーロ(約113万4600円)の月収があることを証明しなくてはならない。これは欧州で最も高い収入基準だ。この高収入要件に加え、デジタルノマドビザ保持者は同国に滞在中、税法上の居住者と見なされる。
エストニアもリモートワーカーに人気のある国で、IT設備が充実していることで知られている。デジタルノマドビザの申請には4500ユーロ(約72万1600円)以上の月収が求められ、欧州でも比較的高い水準となっている。エストニアのデジタルノマドビザは、個人事業主または同国の国外に拠点を置く企業の従業員としてリモートワークをする人のために最長1年間の滞在を認めるもの。
ルーマニア 収入基準は低くないが魅力的な優遇税制も
ルーマニアのデジタルノマドビザを申請するには、月額3950ユーロ(約63万3400円)以上の収入があることを証明する必要がある。これは同国の平均月収の3倍に相当する額だ。
ルーマニア政府は2023年、デジタルノマドビザ保持者の税務上の地位を明確化し、所得税と社会保険料の免除を保証した。この優遇税制による経済的利益を考えると、ルーマニアはリモートワーカーにとって魅力的な移住先となるかもしれない。
このように、デジタルノマドビザ申請に必要な収入条件は国によって大きく異なる。比較的敷居の低い国もあれば、デジタルノマドビザ保持者に有利な税制を設けている国もある。