3. 食べるものや運動、妊娠など、健康と身体を支配しようとする
健全な関係は、自分の身体のことは自分で判断することへの尊重なども含め、相互尊重を土台にして築かれる。だが、強圧的コントロールがみられる関係においては、パートナーがあなたの健康に関する選択を支配しようとする可能性がある。あなたが食べるものや着るもの、運動量、服薬、さらには避妊や妊娠に関する決定まで支配しようとするかもしれない。
そうした支配的なパートナーが当初口にする言葉は「ただ健康でいて欲しい」とか「少し痩せたら魅力が増すよ」など、あなたのことを思いやっているように響くかもしれない。だが時間が経つにつれてこれらの「提案」はルールへと変化していく。あなたは自分の体を変えなければならないというプレッシャーを感じたり、必要な健康管理サービスの利用を却下されたり、ウェルビーイングに関する選択を侮辱されたりするかもしれない。
支配的な人の中には、権力を維持するための手段として妊娠や医療上の決定を利用し、パートナーが避妊することを困難にしたり、生殖に関する選択を強制したり、あるいは強制的に選択肢を排除したりする人もいる。
この種の支配は身体の健康という枠を超えて、パートナーが優位に立つことや、あなたが自身に関することを自分で選択できないようにすることでもある。自分の身体に対して無力感を抱いている場合は深刻な危険信号だ。
こうした行動は、悲惨な結果を招く可能性もある。英BBCの2022年の報道では、殺人に至ったドメスティック・バイオレンス（DV）の半数以上で、虐待が強圧的コントロールから始まっていたことが明らかになった。背筋が凍るこの統計は、パートナーであろうと、誰にもあなたの身体や自主性を支配する権利はないことを明確に示している。
この記事は、強圧的コントロールのすべてを網羅しているものではない。重要なのは、何かがおかしいと感じたら、おそらくそれは本当におかしいということだ。強圧的コントロールは、愛情や思いやりを装っている場合には特に見抜くのが難しい。だが自分の直感を信じるべきだ。もし自分の自立性が失われていると感じたり、常に自分を疑っていたり、あるいは自分の意志ではなく恐怖から選択していると感じたら、何かがおかしいのだ。
幸いなことに、自覚することが自立を取り戻すための第一歩となる。パートナーとの関係に縛られていると感じることはあってはならない。もし上記の兆候が当てはまるようであれば、サポートが受けられることを知っておいて欲しい。まず、信頼のおける友人や家族、またはメンタルヘルスの専門家に相談することで状況を明確にし、対応を検討することができる。
