米国の移民当局は3月5日、外国人が米国の市民権や永住権、あるいは難民を申請する場合に、SNSのアカウントを申告するよう義務付けるポリシーを提案した。同局は、この措置がトランプ大統領の移民に関する大統領令の遵守に必要だと主張している。
ビザの承認や市民権の申請、難民の審査を担当する米国市民権・移民局(USCIS)は、ソーシャルメディアの監視に関するポリシーを5日の連邦官報で公示した。
USCISによれば、SNSアカウントの提出は「厳格な審査とスクリーニング」のために必要で、申請者の身元確認や安全保障上の審査を強化することを目的としているという。
同局は、これらのデータ収集が、トランプ大統領が就任初日に発令した大統領令の「外国人テロリストおよびその他の国家安全保障・公安上の脅威から米国を保護する」にあたって必要だと述べている。USCISは、この提案に関して今後の60日間にわたり一般からの意見を募集すると述べている。
この提案の元となった大統領令は、「テロ攻撃を企てる者や国家安全保障を脅かす者、憎悪を煽るイデオロギーを掲げる者、または悪意を持って移民法を悪用しようとする外国人」から米国市民を守ることを目的としている。
USCISは、SNSからのデータ収集が、この大統領令の第2条に書かれた「省庁間における精査および審査の強化」に必要だと述べている。この条項は、米国への入国を求める外国人や、すでに米国にいる外国人を「可能な限り徹底的に審査し、審査・精査の基準と手続きを統一すること」を呼びかけている。
5日の提案書の中でUSCISは、SNSの情報が「強化された審査や精査の基準」を確立し、申請者の本人確認を支援するために必要だと説明している。
USCISは、この措置の影響を受ける申請者の総数が357万人に達すると試算している。同局は、この追加情報の処理には約28万5999時間の労働時間が必要になるが、「国民に追加のコスト負担は生じない」と述べている。