BPは現在、人員削減だけでなく、安定供給や効率性、安全性にも引き続き注力している。2024年12月には、日本の再生可能エネルギー企業JERAなどと、洋上風力発電の合弁会社を立ち上げると発表した。これによりBPは、風力発電による再生可能エネルギー事業の大半を分離し、従来の石油・ガス生産による売上の強化に向かう業界の流れに乗ることになる。
オーキンクロスCEOは従業員宛てのメッセージで、「私たちには、今年、来年、そしてそれ以降にもやるべきことがたくさんあるが、よりシンプルで、より焦点を絞り、より価値の高い企業という位置づけを目指し、確かな進展を遂げている」と述べている。
厳しさを増す石油・ガスの世界市場で、企業方針に変化
他の石油・ガス企業も、収入を予測しやすい旧来の化石燃料に事業ポートフォリオを切り替えている。BPのライバルで、(ロイター報道によれば)2024年に売上を5.5%伸ばしたShell(シェル)も、ワエル・サワンCEOの指揮下で人員縮小に踏み切っている。レイオフや人員削減に加え、石油探査部門の人員を20%削減したほか、低炭素事業でも経費削減を実施している。
Accela Research(アクセラ・リサーチ)のアナリスト、ローハン・バウターによると、BPやシェルのほか、ノルウェーのEquinor(エクイノール)は2024年、低炭素化のための支出を8%減らしたという。
エネルギー業界全体を見ると、Chevron(シェブロン)やエクソンといったトップ企業は、従来の石油・ガス事業に以前から焦点を合わせてきた。バウターはロイターに対して、「ロシアのウクライナ侵攻といった地政学的な混乱によって、原油価格が上昇し、投資家の期待が変化した結果、低炭素社会への移行を優先させようとCEOを促すインセンティブが弱くなっている」と指摘した。
中国の需要鈍化を受けて、石油・ガスの需要は減速しており、業界は今後、いっそう厳しい財務的制約に迫られるとみられる。


