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2025.03.06 08:00

中国BYDがドローン大手DJIと提携、「運転中のドローン撮影」が可能に

Shutterstock.com

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中国の電気自動車(EV)大手のBYDは、ドローンメーカーのDJIと提携し、映画『ブレードランナー』を思わせるSFの世界を現実にしようとしている。同社は、ルーフ部分にドローンを格納するためのスペースを備えた車両を発売し、走行中の車から飛び立ったドローンが、動画や静止画を撮影する機能で、競合と差別化を図ろうとしている。

このドローンの搭載システムの価格は1万6000元(約33万円)で、「豹8」と呼ばれるSUVの場合、ドローン本体を含めた価格が39万5800元(約816万円)からになるとBYDは3月2日に発表した。

BYDとDJIは「車を移動型のエンターテインメントおよび探検プラットフォームへと変革することを目指している」と中国の政府系メディアは報じている。両社は、このドローンで「移動中の瞬間をリアルタイムで捉える垂直視野」を顧客に提供しようとしている。

このドローンは、車を自動追尾してアクション撮影を行うことが可能で、飛行を終えたら車に戻り、発射プラットフォーム内で充電される。報道によれば、このドローンは最大時速54キロメートルで車を追尾することが可能で、2キロメートルの距離から自動帰還する機能を備えている。

筆者は、この新たなテクノロジーが、見た目的にも機能的にも非常に魅力的なものだと考えているが、当然ながら、この機能には、安全面の懸念が生じることになる。このような機能が当局からの認可を得られるのは、中国の一部の地域のみかもしれない。

また、もう1つの気になる点が、このドローンが軍事利用される可能性だ。ロシアとウクライナの戦争は、ドローンが現代の戦場に不可欠なものになったことを示しているが、走行中の車両からドローンを発射する技術が、未来の戦場で活用されることは容易に想像できる。

BYDの2024年における世界販売台数は、前年比41%増の425万台だった。このうち、バッテリーEVの販売台数は176万台で、テスラの179万台に肉薄した。同社は先日、香港証券取引所で新株の発行によって435億香港ドル(約8330億円)を調達し、グローバル進出をさらに加速させると述べていた。

ただし、BYDのこのドローンが広く普及することはなさそうだ。中国国内でさえ、ドローンの飛行には厳格な規制があり、操縦者が飛行中のドローンを目視できる必要があるとされている。とはいえ、非常にエキサイティングな技術であることは間違いない。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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