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2025.03.06 10:15

「補助金が切れても止まらない地域」をつくる

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「つなげる30人」——持続可能な地方創生を実現する実践モデル

「つなげる30人」は、自治体・企業・市民が垣根を超えて協力し、地域課題を解決するクロスセクター型の取り組みだ。

もともとは「地方創生」文脈ではなく、2016年に渋谷で誕生し、都市部の企業・行政・NPOの連携を通じた新しい課題解決手法としてスタート。渋谷は2025年現在9期目を運営中でアルムナイは約300名近くになる。

その後、名古屋、京都・横浜・広島など全国へと広がり、独自の進化を遂げながら、各地域で継続的に成果を生み出してきた。例えば、渋谷では落書き問題をアートで解決する取り組みが生まれ、名古屋では夜のまち歩きを通じて新たな地域の魅力を発信する「夜さんぽ」がスタート。京都では、鴨川の河川敷を舞台にした「かもがわミュージック」が地域と若者をつなぐ場となっている。 また、現在では人口30万人以下や10万人以下の地域でも実績が出ており、これまで「つなげる30人」の当事者になった数は1000人を越えている。

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結果的にほぼ「地方創生1.0」と並行して約10年実践してきた「つなげる30人」の仕組みだが、地方創生2.0が掲げる「クロスセクター連携」「地域自律の仕組みづくり」とシンクロする形になった。

この手法が地方創生2.0の実現に貢献できる理由は、具体的に4つある。

1)「産官学金労言」など多様な主体による連携を実現できる、再現性の高いプログラム

地方創生2.0では、多様な主体が協力しながら地域課題に取り組む「クロスセクター連携」が重要視されている。しかし、単に異なる立場の人々を集めるだけでは、実効性のある協働にはつながらない。

「つなげる30人」は、自治体・企業・市民が垣根を越えて協力できるよう、実践的なプログラムを設計し、全国で展開してきた。参加者が「同じ課題に向き合う仲間」として信頼関係を築きながら、具体的なアクションにつなげる仕組みを備えているため、単なる意見交換に終わらず、実効性の高いアイデアが生まれ、実装されるのが特徴だ。

また、この仕組みは地域ごとの特性に応じたカスタマイズが可能であり、渋谷、名古屋、京都、横浜、広島など都市部で成功した後、石川県小松市や福井県敦賀市など人口10万人前後の地域でも成果を上げており、これは地方創生2.0が求める「地域主導の持続可能な仕組みづくり」を実現するための有力な手法の一つになり得ると感じている。

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文= 加生 健太朗

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