4. 未来を空約束する
結婚して子どもをもうける、あるいは一緒に人生を歩むなど、美しい未来を約束するのは簡単だ。だがそのような約束に真の意思が伴わなければ相手は失望するだけでは済まず、心に深い傷を負うことになる。例えば、一緒に住もうと口では言いながら行動をまったく起こさなかったり、口論の最中に「誓って変わる」などと行動を伴わない空約束をしたりすることなどが挙げられる。
空約束では、その言葉によって生み出される希望、つまり中身のない言葉で築かれた夢が砕ける。専門誌『パーソナリティ・アンド・ソーシャル・サイコロジー・ジャーナル』に掲載された研究は、なぜ人々が守れない約束をしてしまうのかについて取り上げている。
相手に強い愛情を感じるほど、そして相手の求めに応えようとするほど、人は大きな約束をしがちであることが研究で示された。だが、ここで留意すべきポイントがある。誠意と実行は必ずしも結びつかないのだ。
研究者たちは、約束を守るかどうかは愛や感情的な動機とは関係なく、自己管理能力に拠ると指摘している。計画を立て、それをやり遂げる能力に欠ける人は、たとえその時は誠意を持っていたとしても約束を破る可能性が高い。
そうして、大きな約束をする人は大きな失望を与える人となり得るという悲しい構図が生まれる。約束が破られると2人の関係が終わるだけでなく、一緒に描いていた将来も立ち消え、深い悲しみと裏切られたという気持ちが残る。
このパターンの対処法は次の通りだ。
・言葉より行動に重点を置く
一貫性があるかどうかで真剣度合いが測れる。相手が約束の実現に向けて懸命に取り組んでいるかどうかを注意深く観察するといい。
・明確な境界線を設ける
期待を伝え、パートナーに責任を課す。相手が約束を守るつもりがないように見える場合は、そのことを指摘し率直に話し合う。
また、あなたが約束をする立場にある場合は、約束の内容を意識することが欠かせない。その場の勢いで大風呂敷を広げるのではなく、自分の言葉が本当に実現可能なものかを確かめる必要がある。
カップルの関係を損なう上記のようなパターンは見過ごされることが多いが、注意を払っていれば、認識して軌道修正することができる。