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2025.03.07 18:00

決定的な原因にならないが、「ゆるやかな別れ」につながる4つの人間関係

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3. 縛りと個の喪失

愛し合って間もない頃は、生活をともにすることは自然なことのように感じられる。日々のルーティーンを共有したり冗談を言い合ったりし、また「私たち」という感覚が育まれる。だが、恋愛関係と共依存の境界線があいまいになると、個が薄れていく。

縛りの関係を意味する「エンメッシュメント」は相手に認められることを過度に求め合うことで起こり、自尊心の低下につながる。「愛している」という気持ちから「自分の存在価値を感じるにはあなたが必要」へと変化する。このため、自分と相手のニーズや欲求、感情を区別することが難しくなる。

エンメッシュメントは以下のような形で現れることがある。

・自分の趣味や友人関係、目標に関わらなくなる
・常にパートナーに安心感や承認を求める
・1人の時間を持つことや自分だけで行動したいと望むことに罪悪感を感じる
・自分自身の成長より2人の関係を優先する

専門誌『インターナショナル・ジャーナル・オブ・メンタルヘルス・アンド・アディクション』に2022年に掲載された解説では、エンメッシュメントと共依存の複雑な関係を扱っている。エンメッシュメントの原因は、境界線の欠如や親の影響が大き過ぎることで幼少期に起こることが多い自立性の欠如にあると指摘している。 これが「未発達な自己」につながり、自己認識が低下し、他人を通して自己肯定感や目的を求めるようになる。

また、研究者らによると、エンメッシュメントは自己犠牲や個人的なニーズの抑制、承認欲求といった行動を悪化させるという。こうした行動は共依存の兆候だ。こうなると自分のアイデンティティがパートナーとの関係に完全に左右されるという不健全な状態となり、感情面で燃え尽きたり、ゆくゆくは破局につながったりする。

エンメッシュメントに対処するには、個人の境界線を再構築する必要がある。自分の目標や関心事を優先し、相手のいないところでそれぞれの成長を促す。パートナーと離れている時も、内省の時間を確保することで2人の関係は強固なものになる。

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翻訳=溝口慈子

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