国内

2025.03.06 13:30

市場規模3年で10倍!大企業も参入。世界が注目する「日本のインパクト・エコノミー新章」

イラストレーション=ブラチスラブ・ミレンコビッチ

ディープテックから「インパクト×クロスオーバー」へ

「地球と社会のために必要だけれど、経済的資本と人的資本が集まっていない『未踏の地』に旗を立てるという意味です」
 
そう話すのは、UntroD (アントロッド)Capital Japan代表取締役社長の永田暁彦だ。ディープテック特化のVCファンドであるリアルテックファンドを運営してきたリアルテック・ホールディングス。国内外6ファンドを通して約400億円を運用する同社は2024年6月、社名を変えた。そして同社ファウンダーで、ユーグレナを経営者として長年率いてきた永田が社長へ復帰。同時に、野村アセットマネジメントとクロスオーバーインパクトファンドを設立し、同年12月に40億円でファーストクローズした。インパクト志向の強いIPOを目指したレイトステージのスタートアップへ長期にわたり投資をしていく。

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「我々が創業した15年当時は『ディープテック』という言葉はなかったが、今や投資家、政府、証券取引所も注目する時代へと変わった。同領域に成功事例が生まれ、投資領域に魅力があると認識されたことが大きい」(永田)
 
上場企業経営経験もある永田の次の挑戦は、上場と非上場の断絶を乗り越えることだ。上場前後のスタートアップには、レイトステージでの成長資金の供給不足、スモールIPOなどいくつかの課題がある。「インパクト領域でも、上場後もさらなる成長と社会的インパクトを創出する企業群が生まれるエコシステムの実現を目指したい」

新結合で創造する「アフォーダブルハウジングファンド」

「日本初のソフトとハード、事業性と社会性が両立するアフォーダブルハウジングファンドをつくる」

りそな銀行とLivEQualityグループは2025年1月、アフォーダブルハウジング分野でのインパクトファンド組成を目指す基本合意を行った。アフォーダブルハウジングとは、不動産市場の価格高騰、ひとり親家庭など属性を理由に審査を通さない慣習などの構造的課題により、経済的・社会的に家を借りることができない人たちを対象に、手の届く価格で借りられる「アフォーダブル住宅」を提供し入居者の生活再建や経済的自立をサポートする事業だ。りそなグループの投資家基盤や不動産ファンドノウハウとLivEQualityグループが持つアフォーダブルハウジング運営ノウハウを掛け合わせて、私募ファンドを組成・運営し、同分野の新たな金融ソリューションの提供を目指す。

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りそな銀行・不動産営業部担当 兼 不動産ビジネス部担当執行役員の舩原里紀(写真左)、同信託財産運用部担当 執行役員の山下恵史(右)、LivEQualityグループ代表の岡本拓也(中央)の3人は冒頭のように口を揃える。「新たな仕組みの開発で、アフォーダブルハウジング市場の創出が加速される」。

両社の新結合による掛け算が日本経済・社会全体への大きなソリューションを創造するかもしれない。

文=山本智之 写真=小田駿一

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