来る4月には、九州発のファミリーレストランチェーン「ロイヤルホスト」と組んで、天神のド真ん中にビストロバルをオープンする。名前は「THE CONTINENTAL ROYAL & Goh」。
「実はロイヤルってすごい会社で、全国200数十店舗のためのセントラルキッチンでオニオングラタンスープのためのコンソメを挽肉からきちんと引いているし、オマールの頭を割ってアメリケーヌソースをつくっているんです。そんなアナログな会社だからこそ手を組もうという気になったのです。
飲食業界の未来を考えたとき、決して明るい話題ばかりではありません。少子化による人手不足も大きな問題。それを、こうした大手と組むことで、誰がつくっても同じ味にできるレシピやノウハウを確立すれば飲食業界への恩返しにもなりますから」と福山氏は言う。
40代くらいまでは、フランスでの修業経験がない、東京での経験がないなど、王道を歩んでこなかったことに、ネガティブな感情を抱いていたというが、王道でなくても自分の道をみつけられるということを身をもって教えていきたいのだという。
「今振り返ると、頼まれたことを一つも断らずに、誠心誠意取り組んできたことがよかったのだとも思います。誘われるうちが花というか、お役に立てるうちはなんでもしたいと、その一心でやってきましたから」

一つ一つのことにきちんと実を成らせ、それをさらに、大きな一つの実に育てあげていった。それは、ひとえに福山氏の人徳によるところが大きいのだと思う。誰をも幸せにする笑顔、にじみ出るホスピタリティ、決して裏切らない誠実さ、そうしたことが、一段一段、階段を上らせていったのだろう。
名実ともにGohのプレステージを確立した今、まさに50代。これから先もあっと驚かせることをやってくれるのか、その歩みを楽しませてもらいたい。