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政治

2025.03.03 09:30

トランプの外交政策は「ロシアのビジョンとおおむね一致」 露報道官

米ホワイトハウスの大統領執務室で2025年2月28日、口論になるドナルド・トランプ大統領とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領(Andrew Harnik/Getty Images)

米国はロシアと協調しているのか?

トランプの側近のマイケル・ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)は2日、CNNに対し、米国務省は現在ウクライナ、ロシア双方と「戦争を終わらせるために何が必要か」を協議していると語った。マルコ・ルビオ国務長官は以前、トランプ政権がロシアとのより緊密な関係を模索する方法を検討していると明かしており、ロシア外相も2月下旬にトランプとプーチンの会談実現へ向けて動いていることを示唆している。米国がロシアと何を協議しているのか問われたウォルツは、ロシアでの「米大使館業務の拡大」に関して「話をしている」と答えた。

また、米国は先日、ロシアのウクライナ侵攻を非難する国連決議に反対票を投じている。英紙ガーディアンは1日、トランプ政権はもはやロシアを米国にとってサイバーセキュリティー上の脅威とはみなしていないと報じた。これに関してウォルツは2日のCNNに、ロシアを標的にしたサイバー作戦の一時停止はロシア政府との「話し合いの一環ではない」と説明したが、同時に「この戦争を終わらせるためには、あらゆる種類のアメとムチが用いられるだろう」とも主張した。

ウクライナとロシアの戦争を「24時間以内」に終わらせることができると豪語していたトランプだが、今回のゼレンスキーとの会談決裂で、トランプ主導の和平交渉は頓挫した。ウクライナは対ロシア戦争で米国からの援助と軍事支援に頼ってきたが、大統領執務室での衝突を受け、世界中の民主主義国家の首脳が相次いでウクライナ支持を表明している。

トランプに対しては長年、ロシアやプーチンとの関係について厳しい目が向けられている。1期目の任期中には、2016年の米大統領選でロシアとの共謀があったかについて、ロバート・モラー特別検察官が捜査を行った。

モラーの最終報告書は、前回の大統領選において「トランプ陣営の関係者とロシア政府との間に共謀や協調があったとの立証はできなかった」としつつ、「ロシア政府はトランプの大統領就任が利益になると認識し、その結果を確保するために尽力した」とも指摘。トランプ陣営もまた「ロシアの働きによって盗まれ公開された情報が、選挙戦に利益をもたらすことを期待していた」と記していた。

トランプはプーチンを「天才」と称賛しており、ウクライナ侵攻において「かなり抜け目がない」などと持ち上げていた。昨年の米大統領選前の報道によれば、トランプは1期目を退任してからプーチンと7回電話で話したという。さらに先月には、ロシアとウクライナの和平交渉開始に向けてプーチンと「長く、非常に生産的な」電話会談を行った。AP通信はこの会談により、バイデン前政権の主導でプーチンを他の西側諸国から「孤立させる」ために行われてきた3年間の努力に終止符が打たれたと報じていた。

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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