民間保険でも更年期障害の保障が
さて、更年期障害が重症化したとき、長引く治療にかかる医療費負担を心配する人もいるだろう。実は、民間保険の保険パンフレット等でも「更年期障害」の文字を見かけるようになってきている(図表4)。

たとえば、三井住友海上あいおい生命の生命保険(商品名「収入保障Wセレクト」「総合収入保障Wセレクト」「くらしの応援ほけんWセレクト」)では、病気(更年期障害を含む)やけがで入院または在宅医療が10日以上および30日以上継続した際に、主契約から給付金が受け取れる。
加えて、特則(オプション)を付けると、更年期障害で入院または在宅医療が30日以上継続したときにストレス・メンタル疾病サポート一時金として100万円を受け取ることができる。
また、三井住友海上あいおい生命では、さまざまなヘルスケアサービス「MSAケア(エムエスエーケア)」を用意しているが、そのなかに「更年期障害」に特化したオンライン診療サービスが含まれている。
更年期かもと思ったらLINEで気軽に診療予約ができる仕組みで、更年期障害を熟知した産婦人科医にビデオ通話で診察が受けられる(相談を受ける側はカメラOFFも可能)。
診療は365日対応しており、症状により、ホルモン療法や漢方療法の提案・処方を受けることができる。
筆者はファイナンシャル・プランナーという、お金のよろず相談を受ける仕事をしており、長期間にわたるその時々のお金の悩みを、継続的に相談を受けて解決するケースも少なくない。
だが、長い付き合いの相談者の人格がいきなり豹変したように感じたことが、これまでに何度かあった。
たとえば、出産後しばらく経ってから見えた新米ママが妙にピリピリしていたり、不妊治療でホルモン治療中の妻がイライラ感を募らせていたり、役職定年を迎えた夫が暗いオーラをまとっていたりなど、以前の温和だった人柄を知っているだけに、面食らったことを覚えている。
いずれも、ホルモンが劇的に変わるタイミングであることに気づいたのは、相談者の家族にも話を聞いたからだった。ホルモンの影響に振り回されて、本人もつらい。もちろん、家族もつらい。でも、原因がわかれば改善策もわかる。
もしも心身の不調を感じたら、特に中高年は、更年期障害の可能性を視野に入れてみてはいかがだろうか。


