従来の禁酒の試みとの違い
「ゼブラ・ストライピングが流行っているのは実用的だからだ。人々は社交を楽しみたいと思っているが、飲酒が健康や財布に与える影響にも以前より注意を払うようになった」とラペは解説する。「飲酒量を抑えるためにゼブラ・ストライピングを取り入れている人を多く見てきたが、彼らは何かを失ったような気持ちにはなっていない。完全に酒を控えるのではなく、夜の付き合いをこれまで以上にコントロールするのがゼブラ・ストライピングだ」
1月に全く酒を飲まない「ドライ・ジャニュアリー」や10月に実施する禁酒習慣「ソバー・オクトーバー」のような従来の禁酒の試みでは、一定期間の完全禁酒が求められるが、「ゼブラ・ストライピング」はより柔軟なアプローチを取っているとラペ。「リバウンドの飲酒につながりがちなオール・オア・ナッシングの考え方ではなく、ゼブラ・ストライピングではアルコール摂取について慎重になりながら、人との付き合いを維持できる」という。
ラペによると、「違いは顕著」とのことだ。「従来の禁酒の試みは通常、あらかじめ決めた期間ずっと酒を断つため、禁酒期間が終わるのを指折り数える心理状態となり、禁酒明けの暴飲につながる。加えて、1カ月間禁酒する場合、禁酒と人付き合いのどちらをとるか迫られることがよくあるが、ゼブラ・ストライピングではそのようなジレンマはない。節度を守りながら、飲み会などのイベントに参加したり、夜の外出を楽しんだり、人とのつながりを維持することができる」
「完全な禁酒やたまに禁酒日を設ける手法とは異なり、ゼブラ・ストライピングは節度ある飲酒を長期的に維持できる体系的なアプローチだ」とラペは話している。アルコール摂取について意識的に選択しながら付き合いも維持できるため、バランスを求める若い世代には特に魅力的なのだという。
ただし、ゼブラ・ストライピングは効果的な節度ある飲酒方法であるが、一晩で摂取するアルコール量を意識することが重要だとラペは注意を促す。「アルコール度数の高い酒にしたり、アルコール1杯の量を増やしたりする人がいるかもしれない。これはゼブラ・ストライピングのメリットを損なう恐れがある」