「もうひとつは個人最適化の自由度が高いパーソナルアシスタントであることです。Alexa+はユーザーと会話を繰り返すたびに習慣や好みを学習しながら、ユーザー体験全般にその成果を反映させます」
例えばある会話でユーザーが「食の好み」をAlexa+に伝えると、次にもしユーザーが料理のレシピやおすすめのレストランをAlexa+に訊ねた時に好みを反映したレコメンデーションを返す。個人最適化のために活用される対話の履歴情報はクラウド上でセキュアに管理される。またAlexa+が覚えたユーザーの情報を保持する期間、あるいは削除のタイミングを含む判断はすべてユーザー自身に委ねられる。ユーザーはAmazonアカウントにオプトイン後、設定項目に追加されるプライバシーダッシュボードから必要な情報を確認しながら選り分けられる。
既存のAlexa対応スキルやデバイスはそのまま使える
アマゾンは進化したAlexa+を実現するためにAlexaのアーキテクチャを大きく変更しているが、従来からAlexaに対応する既存のスキル、あるいはWork with Alexa認定を得ているデバイスとの互換性は変わらず維持する。つまり、ユーザーは現在活用しているスキルやAlexa対応デバイスを、Alexa+のアップデートを実行したあとも「今までどおり」に使えるのだ。
Alexa+の公開後もアマゾンは外部のデベロッパやプロダクトのメーカーに、対応するサービスやデバイスを開発するために必要なリソースを提供する。開発キットについてはAlexa+の「伸びしろ」が加わる分、既存のサービスやプロダクトに新しい機能を追加することも可能になるようだが、多くの既存ユーザーの優先事項である互換性が保たれことは大きい。

記者発表会の後、特設会場ではAlexa+のデモンストレーションが実施された。Alexa+との音声チャットの履歴、あるいはレコメンドされたレシピやチケット情報はスマートディスプレイであるEcho Showシリーズの場合は「目で見る」ことができる。チャットは音声で聞くだけでなく、数値や固有名称は画面に表示されるテキストで読んだ方がスムーズに頭に入ってくる。Amazon.comのおすすめ商品の情報は静止画など視覚的な情報も合わせてAlexa+が提示してくるので、欲しい商品を即座に選べる。もちろん音声で応えるだけでなく、画面タッチで選択してもいい。