ルーブリックのデータレジリエンス戦略には、3つの支柱があるとニトラカシャプは説明する。1.リスク、2.脅威、3.レジリエンスとリカバリー(復旧)である。1.のリスクに当たる情報の漏えいを防ぐためには、アクセス権限の管理が必要だ。2.の脅威とは、攻撃者に価値の高い情報にアクセスされることだ「攻撃者は侵入し、実際に攻撃を仕掛けるまで6カ月以上も組織内にとどまる例もある」と、ニトラカシャプは自社調査を引き合いに話す。「検知した異常を顧客に報告し、それが漏えいだと判断された場合、シャットダウンなどの対応が取れます。それにより攻撃を未然に防いだり、より大きな攻撃に晒されたりすることを阻止できます」
そして、3.ののレジリエンスとリカバリーとは、攻撃を受けた場合、どうすれば迅速にビジネスを再開できるかという復旧作業についてである。
近年、人工知能(AI)を使ったサイバー攻撃のリスクが高まっている。だがAI時代にあっても、ルーブリックが「『データ保護』の観点から製品開発することに変わりはない」とニトラカシャプは話す。サイバー攻撃が進化したところで、永遠の“イタチごっこ”だからだ。潮流に振り回されることなく、「データ保護」という創業の原点を押さえつつ、顧客の問題解決に取り組むことが使命だという。
「20年先の製品をつくったところで、顧客は利用しないでしょう。私たちは、顧客が今後3~5年の間にどこへ向かうかを理解しようとしています。顧客も進化するなかでどうプラットフォームを構築するか──。それが、クラウドとSaaSに対する私たちのアプローチであり、AI時代のアプローチなのです」
ルーブリック◎2014年創業、米カリフォルニア州パロアルトに本社を置くサイバーセキュリティ企業。クラウドデータ管理およびデータセキュリティに強みがあり、オンプレミスからクラウド、SaaSまでさまざま環境におけるデータを保護・管理するプラットフォームを提供している。ビプル・シンハ(CEO)、アルビンド・ニトラカシャプ(CTO)ら4人で立ち上げた。2024年4月にニューヨーク証券取引所に上場している。
アルビンド・ニトラカシャプ◎ルーブリック共同創業者兼最高技術責任者(CTO)。米アドテク企業「Rocket Fuel(ロケットフュエル)」ではリアルタイム広告インフラチームを率い、オラクルではプラットフォーム「Oracle Exadata Storage」を立ち上げた。ルーブリックを創業した理由は、「長く続く会社をつくれると確信できたから」。


