GPUの性能が30パーセント向上?
当然ながら、これら初期のベンチマーク結果は、M3搭載MacBook Airより優れた性能を示している。また、M4搭載MacBook Proのほうが、M4搭載MacBook Airより優位に立つことも示唆されている。
これは、macOS向けAppleシリコンの初代M1チップセット登場時から変わらない傾向だ。M1 MacBook AirとM1 MacBook Proはいずれも同じチップセットを使用していたが、Proモデルには冷却ファンが搭載されており、熱効率の向上によって長時間にわたって高いパフォーマンスを維持できた。
M2やM3でも同様の差が見られたため、M4でも同じ判断がなされる可能性が高い。
特に顕著な向上が見込まれるのはGPUだ。MetalやOpenCLを使ったベンチマークでは、30パーセントを超える性能向上が示唆されている。グラフィックス性能を重視するユーザーにとって、M4搭載のMacBook Airは魅力的な選択肢になりそうだ。ただし、このGPU性能が長時間にわたって維持されるのか、それとも熱問題によって処理速度が落ちるまでの一時的なピークにとどまるのかは、まだ不明である。
やや古いMacBook Airでも日常的な使い方なら十分
アップルはM1チップセットを最初にMacBook Airに投入したが、M4チップセットに関してはMacBook Airが最後に対応する製品ラインになると思われる。M4は2024年5月に登場し、iPad Proが最初にこれを搭載した。その後、同年11月にM4 ProとM4 MaxがMacBook ProやMac Miniに導入されている。
M4のデビューから約10カ月が経過している。アップルが確立しつつある年次サイクルを踏まえると、5月または6月に開催されるワールドワイド・デベロッパーカンファレンス(WWDC)前後でM5が発表される可能性があるため、MacBook Airが最新チップとしての地位を保つ期間はとても短いかもしれない。
とはいえ、2020年11月に初披露されて以来、Appleシリコンは一貫して高いパワーとパフォーマンスを提供してきた。プログラミングや開発、映像編集などで余裕のある処理能力を必要とするユーザーは、より高価なMacBook Proを選ぶだろう。
しかし、日常的な用途であれば、MacBook Airのやや抑えめながらも十分なパワーで事足りる場合が大半だ。たとえ登場から1年近く経過したチップセットでも、多くの消費者が期待する性能を満たし、アップルの人気ノートパソコンとして引き続き高い利益率を支えているのは確かだ。