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経済

2025.02.26 12:30

マスク主導の米政府職員解雇で、米経済と市場のリスク増大 エコノミストが警告

米政府効率化省を率いるイーロン・マスクとドナルド・トランプ大統領。2025年2月11日、ホワイトハウスの大統領執務室にて(Andrew Harnik/Getty Images)

トランプ政権への市場の影響

トランプが2期目の当選を決めて以降、米株式市場は好調を維持している。指標となるS&P500は大統領選後に3.6%上昇した。12月にニューヨーク証券取引所で取引開始のベルを鳴らしたトランプは、すかさず当選による経済押し上げ効果を自身の手柄とした。先月には「私の当選以来、株式市場は記録を更新している。S&P500指数が史上初めて6000ポイントの大台に乗った」と自慢した

しかし実際には、トランプが大統領に就任してからS&P指数は下落している。トランプが株式市場のリターンに与える影響は本人が示唆するほど大きくはないが、株価の動向は大統領に対する国民の認識をゆるやかに左右する。トランプは、株式市場が大きくネガティブな反応を示した後に政策を転換したことがある。直近では、カナダとメキシコに対する輸入関税が発動する前日にS&Pが3%近く下落したことを受けて、適用を延期した。失業率もトランプにとっては重要だ。コロナ禍で失業率が15%近くまで上昇する以前は「過去最低の失業率」を誇っていた。

モルガン・スタンレーの米国株式チーフストラテジスト、マイケル・ウィルソンは、スロックやコーエンとは異なる見方を示している。DOGE主導の政府職員解雇による失業率の上昇と、米政府の景気刺激策の縮小に伴うGDP成長率の潜在的な鈍化は、金融市場にとってプラス材料ではないものの、より持続可能な財政見通しによって資産が長期的な上昇を享受する前の短期的な痛みかもしれないとみる。

ウィルソンは24日の投資家向けメモで、DOGEの取り組みは一時的に経済成長に打撃を与えるだろうが、民間セクターが成長し、より健全な財政環境が低金利を支えるようになるにつれ、景気は持続的に上向くだろうと述べた。

米国の公的債務残高は現在36兆2000億ドル(約5400兆円)に上り、2015年比で2倍に膨れ上がっている。連邦財政の持続可能性に対する投資家の信頼が揺らいでいることを示すように、長期国債の利回りは急上昇している。

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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