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2025.03.03 14:15

海と山と遊び、学ぶ「UMITO」のサステナビリティ

奄美大島の海で海底熟成ワイン

奄美大島の海底熟成ワインプロジェクト「tlass SEA CELLAR」にはマスター・オブ・ワインである大橋健一MWもアドバイザーとして参画。

奄美大島の海底熟成ワインプロジェクト「tlass SEA CELLAR」にはマスター・オブ・ワインである大橋健一MWもアドバイザーとして参画。奄美大島の平均水温を考慮しながら、この地に適したワインを見極めている。

「『UMITO 奄美大島』開発のために現地を訪れるうちに、その美しい自然に魅せられました。一方で漁獲高の低下や、限界集落化、産業の不足など種々の問題も見えてきて。それらを解決する一端をワインの海底熟成が担えるのではないかと期待しています」

奄美大島、清水沖の海中20mにセラーを沈める海底熟成は24年より事業化をスタート。

「引き揚げたワインを私もテイスティングしていますが、ひと味違う。特にスパークリングワインは味わいがより深くなっているように感じました」

沈めるセラーには上部に藻場育成プレートを設置することで、水産環境の浄化にも一役買っている。藻場は多くの魚貝に産卵や成育の場を提供するとともに、有機物を分解し、炭酸ガスを吸収、酸素を供給する……と、海のなかの森のような存在なのだ。

「『UMITO』のお客様には海底熟成したワインをお楽しみいただくことで、この地域と自然環境へ関心をもっていただくきっかけになると思います」

ワイン愛好家にとっては希少なワインが味わえ、海が好きな人にとっては奄美大島の自然課題の解決に貢献できるという、“好き”が高じた楽しいサステナビリティ戦略の好例であろう。

害獣から美味ジビエ料理へ

また「UMITO」におけるサステナブルなプロジェクトは海を舞台としたものだけではない。噴火湾に面した北海道森町は東部に北海道駒ケ岳を擁し、漁業・農業が盛んな町だが、ほかの多くの地域同様に鹿やクマなどの害獣に悩まされていた。そこでハンターが駆除した害獣を解体処理して食肉加工するためのラボを「UMITO」がサポート。海風に吹かれて育ったミネラル豊富な草などを餌にしていることから、良質な肉をもつ鹿らを食肉、テリーヌやソーセージなどに仕立て、全国の「UMITO」ほか飲食店へ卸している。

北海道 森町でハンターが仕留めた鹿などジビエを食肉加工するラボをサポート。加工品はふるさと納税でも提供されている。

北海道 森町でハンターが仕留めた鹿などジビエを食肉加工するラボをサポート。加工品はふるさと納税でも提供されている。

これら「UMITO」の取り組みについて堀は「自然と共生することを考えたとき、手つかずの自然をそのままに残すのではなく、適度に人がかかわりながら同時に自然に還元し、貢献できることは何かと追求するのが我々の考えるサステナビリティです。お客様の関心も高く、『UMITO』にとってはサービスクオリティを担保するうえで最も重要なファクターのひとつ」だと語る。自然環境を保持するだけではなく、そこで遊び、学び、その体験を経て自然へと還元していくのは、新たなサステナビリティへのプロアクティブな取り組み方だと言えるだろう。

edited & text by Miyako Akiyama / photographs by Kenta Yoshizawa

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