走り
乗ってみると、ハマーEVは最初からこれ以上ないほど電気自動車的だ。
回生ブレーキは、慣れさえすれば、これだけで絶妙な制動力を発揮させられる。一度コツを掴んだら、ほとんどブレーキペダルに触れる必要はなく、舗装路にしっかりと4輪を食いつかせ、思いのまま走らせることができた。這うように進んだり、坂を登ったり、運転することを楽しめた。
初めて運転席によじ登ったときには、小さな四角いフロントガラスから外がよく見えないのではないかと思うだろう。しかし、視界は良好で、3本のワイパーがちょっと馬鹿馬鹿しい感じを思い出させる。なぜなら、元来ハマーは戦場でもない限り、かなり馬鹿馬鹿しいクルマであり、誰もがそのことを知っているからだ。ハマーを買う人は、人生がうまくいっていて、そんな馬鹿馬鹿しさを楽しみたい人だ。
上述の印象は、激しい吹雪の中、最初から泥と汚れがこびり着いたクルマに、わずか4マイル(約6.4km)ほど試乗して得たものだ。運転席に乗り込んだ時には、世界が滅亡した後の戦車に足を踏み入れたような気分だった。吹雪が収まると、私は車両の下部を優しく洗って磨き上げ、きれいになったクルマに乗って走り出した。私は汚いクルマに我慢できないのだ。オフロード走行はしなかった。できる場所が見つからなかったからだ。
全体的に大きな興奮を覚えたのは、アクセルペダルを踏み込むと即座に加速するスピードと、短い距離を動かした際の操縦性だ。実際にブレーキペダルを踏むときには大きな力が必要になる。その大柄な車体にかかわらず、街中を動き回るような移動が苦にならないことは発見だった。
オフロード走行用機能
「CrabWalk(カニ歩き)」機能は4輪操舵システムを活用して低速で斜めに走行できる。「Extract(引き出し)モード」に切り替えると、「エア・ライド・アダプティブ」サスペンションシステムによって車高を約15cmほど引き上げることができる。最低地上高が増すため、岩や轍を越えるのに役立つ。また、ブレークオーバーアングル(斜路走破角)が広がることで、急斜面を登りきった直後などに車体底面が引っかかったり擦ったりするリスクを減らせる。
「UltraVision」テクノロジーは、ハマーEVのピックアップモデルでは18個、SUVモデルでは17個の車載カメラを駆使して、車体周囲全域の視界をドライバーに提供する。それらの中には車両の床下や荷台の内側も含まれる。このシステムでは、車体の下に搭載された2個のカメラで、タイヤの位置や車輪の空転も、運転席から直接確認できるため、狭い駐車場やオフロードで車両を操るのも容易になる。


