これまでの研究の中には、適度な飲酒は心疾患や2型糖尿病、胆石、記憶障害のリスクを低減させることに役立つ可能性があるとの結果を示すものもある。
飲酒のリスクとメリットに関する科学的な論争は、今も続いている。マーチはこれについて、欠かせないのは「消費者が責任を持って、自ら選択できるようになること」だと考えている。そのための鍵となるのは知識であり、重要なのは消費者が、(この問題に関する)全体像と、情報源を理解しているということだ。
メッセージの影響力
マーチはそのほか「警告の表示が義務化されれば、特にこの件のように時期尚早に実施されるものであれば、業界全体が悪影響を受けることは間違いない」と語る。実際に、そうなる可能性を示す証拠もある。2025年のワイン業界の状況について、Silicon Valley Bank(シリコンバレー・バンク)がまとめた報告書によると、ワインの消費量は減少が続いているが、これは80年代後半から90年代前半にかけて起きた「消費者の変化」による影響と類似している。
報告書の著者、ロブ・マクミリアンによれば、当時の全体的な消費量の減少は、1984年全米最低飲酒年齢法の制定など、アルコールの消費を規制する政策が影響したものだとされている。この法律によって法定飲酒年齢が21歳に引き上げられたことにより、潜在的な消費者の数は数百万人余り減少したとみられている。
これは、フランクやマッキンタイア、マーチを含む専門家たちがいうとおり、ワインと健康に関する「メッセージ」が持つ力こそが、消費者の混乱を招くものであることを示している。
マクミランはそのほか、次のように述べている。
「科学的な研究を装ったマーケティングツールを用い、都合よく選び出したデータを使い、健康測定の定義を変える反アルコール派の戦術を観察することは、新たな知識を与えてくれます」
(forbes.com 原文)


