ヘルスケア

2025.02.24 12:00

ワインと健康を巡る主張の「矛盾」、研究のいいとこ取りが原因?

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マッキンタイアは「The New Prohibition(新禁酒法)」と題した記事で、反アルコール派はメッセージを断酒を促すものに変えることで「何千年も前から続いてきた文化的な伝統とその楽しみやメリットを恥ずべきものとし、人々を遠ざけようとしている」と主張している。
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また、フランクによると、ワイナリーやワインブランドは歴史的に、ワインの健康上のメリットについてメッセージを発することに消極的だった。そのため、生産者側が一丸となって何か訴えるということがなかったという。

一方、最近ではプレバイオティクス・ソーダや大麻入り飲料をはじめとする新たに市場に参入した飲料のメーカーが「Dry January(断酒の1月)」を呼びかけるキャンペーンを行うなどしている。こうした傾向は、ワインがはるか昔から人々を1つのテーブルに集わせてきた農産物の1つであることを「覆い隠している」という。

近づく食事ガイドラインの改訂

フランクはそのほか、マーシーが前述の勧告をする2週間前にNASEMが発表した研究結果に注目して欲しいと呼びかけている。そこに紹介されているのが「適度な飲酒をする人の死亡率は、まったく飲まない人よりも低かった」とする調査結果だ。

この結果は、米国民向け食事ガイドラインの改訂(2025~30年版の策定)にも役立てられることになっている。だが、フランクによると、ガイドラインの見直しには、新たにHHSの傘下に組織された「第二の委員会」が参加する。改訂前にNASEMの調査結果が公開されるは慣例である一方、その新たな委員会には、これまで見直しに協力してきた研究者や心臓の専門医ではなく、物質乱用の専門家で構成される「諸機関調整委員会」が加わっている。
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6人いるそのメンバーは、多くが長年アルコール依存症やアルコール関連政策の研究に携わってきた人たちだ。そして、中には飲酒に反対する団体から資金援助を受けている組織の職員もいるという。

何が「適切な行動」なのか─?

イタリアのワイナリー、Batasiolo(バタジオーロ)のコマーシャル・ディレクターとして米国内で活動し、コロンビアの蒸留酒「アグアルディエンテ」のブランド、Bacan Guaro(バカン・グアーロ)の共同創業者でもあるリカルド・マーチは、ワイン・スペクター誌に掲載されたフランクの記事の内容に同意する。

30年以上にわたって酒類業界で働いてきたマーチはこの問題について、次のように話している。
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編集=木内涼子

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