【重要なお知らせ:当社を装った偽サイトにご注意ください】

ビジネス

2025.02.20 10:30

高級品業界が低迷した2024年、仏エルメスは15%増収 日本が成長をけん引

エルメス(Txus Lopez / Shutterstock.com)

時計部門以外は軒並み好調

エルメスの売上高で最大の4分の1弱を占める皮革製品と馬具部門は前年比18%増の64億5700万ユーロ(約1兆200億円)と、全部門の成長をけん引した。次いで、プレタポルテ(既製服)とアクセサリー部門が前年比15%増の44億500万ユーロ(約7000億円)だった。その他の部門には宝飾品や家庭用品などが含まれ、前年比17%増の19億900万ユーロ(約3000億円)だった。絹製品と繊維製品は前年比4%増の9億5000万ユーロ(約1500億円)と比較的振るわなかったが、第4四半期には前年同期比7%増となった。

香水・美容部門は5億3500万ユーロ(約850億円)で、前年比9%増、第4四半期は17%増となった。エルメスは香水のほか、口紅やマニキュアなどの化粧品に多大な投資を続けている。美容の最大部門であるスキンケア製品では「正しい方法、すなわちエルメス流の方法」を模索しているという。

エルメスの製品部門の中で唯一の例外となったのは時計部門で、売上高は前年比4%減の5億770万ユーロ(約914億円)に縮小した。だが、昨年末には米アップルとの10周年記念コラボレーションウオッチを発売しており、2025年は時計部門が躍進する可能性もある。

不透明感はあるものの、引き続き明るい見通し

エルメスは2025年に「収益の拡大に向けた野心的な目標」を設定したが、「経済、地政学、為替相場の不確実性」が高まっていることから、目標の内容については公表しなかった。デュマ会長は「高度に統合された職人技術、バランスの取れた小売システム、コレクションの創造性、そして忠実な顧客のおかげで、当社は自信を持って2025年に乗り出す」と表明。「創造性、ノウハウの維持、並外れたコミュニケーション」に基づく同社の長期戦略を改めて強調した。

米コンサルティング企業ラグジュアリー・インスティテュートの設立者ミルトン・ペドラザ最高経営責任者(CEO)は「高級とは、エルメスが何をするのかではなく、同社が何者であるかということだ」と言う。「真正性とは、エルメスが何をするのかではない。同社が何者であるかということだ。そして当然、創造性とは、エルメスが何をするのかではない。同社が何者であるかということだ」

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

タグ:

続きを読むには、会員登録(無料)が必要です

無料会員に登録すると、すべての記事が読み放題。
著者フォローなど便利な機能、限定プレゼントのご案内も!

会員の方はログイン

ForbesBrandVoice

人気記事