プーチン大統領がヒトラーのように欧州全体の占領を目指すとは考えにくいが、フィンランドやスウェーデン、ポーランド、バルト3国などは、NATO加盟国ではあるものの、「次は我が身か」と緊張するだろう。庄司氏は「ミュンヘン会談の1年後に結ばれた独ソ不可侵条約でドイツがソ連に接近したように、自分の身を守るために、ロシアに接近しようとする国が出てくるかもしれない」と語る。
国際連合の常任理事国であるロシアが堂々と他の主権国家に侵攻し、小国が犠牲になるという先例を作れば、第2次世界大戦後に確立された、いかなる国の領土保全や政治的独立に対する武力による威嚇や武力の行使も慎まねばならないとの国際連合憲章の原則が揺らぐことは間違いない。トランプ政権は「米国第1主義」を掲げるが、こうした原則が揺らげば、戦後秩序の恩恵を最大限に受けて来た超大国としての地位が揺らぐこともまた、間違いないと言えるだろう。
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