調査を行った研究者らは、対策に充てる資金の不足に加えて、多くの医療関係者がギャンブル依存に関する研修をほぼ受けておらず、専門知識もないと指摘している。また、米食品医薬品局(FDA)が承認したギャンブル依存症の治療薬は皆無だという。
研究チームのニミット・デサイは「スポーツ賭博の合法化の影響は、公衆衛生への影響を理解して対処する我々の能力を上回っている」と声明で述べている。「調査結果は、政策立案者や医療従事者、公衆衛生分野の関係者に今行動を起こすよう促す警鐘だ」とも指摘する。
ギャンブル依存症はアルコールや薬物などの物質使用障害と神経メカニズムで類似点があり、うつや双極性障害、自殺傾向など他の精神疾患の合併が多い。ギャンブル依存症と物質使用障害には脳内の報酬系という部位、特に神経伝達物質のドーパミンの放出が関係している。快楽に関連する脳内の部位を刺激するため、同じことを繰り返したくなり依存につながる。研究によると、ギャンブル依存は頻脈や狭心症、高血圧といった症状や、破産や失業、ホームレスなどとも関連しているという。
(forbes.com 原文)


