AIスマートポールの仕組み
今回の実証では、デンソーの多機能スマートポール技術とダイワ通信のエッジAI端末「IWA BOX」、同社の獣害検知機能を連携させ共同開発されAIスマートポールを導入。AIカメラを搭載し、害獣や不審者を自動的に検知・識別し、光や音による撃退機能を備えている。検出情報はリアルタイムで管理センターや関係者に通知され、迅速な対応を可能にするとのこと。また、データは蓄積され、出没パターンの分析にも活用される。これにより、単なる撃退にとどまらず、将来的にはより精度の高い予防策の策定も視野に入れることも可能になる。


高齢化・人手不足が生む「害獣対策の限界」
朝日町では65歳以上の高齢者が総人口の36.8%を占め、労働力の不足が深刻化している。農作業においても担い手の減少が続き、特に害獣対策に関しては猟友会の高齢化が進み、監視や駆除の人手が不足しているのが現状だ。また、近年はクマやイノシシの出没が増加し、事故や農作物被害が相次いでいる。従来の対策では限界があるため、AI技術を活用し、害獣を早期に検知・追い払うことで住民の安全を確保し、農作物の被害を最小限に抑えることが求められていた。
今回の実証実験では、AI技術による監視とデータ分析の有効性が検証された。現段階では電波状況の影響や精度の向上といった課題もあるものの、将来的にこの技術が本格導入されれば、農村地域における害獣対策の在り方が大きく変わる可能性がある。


プレスリリースより
AIを活用したスマートポールは、2025年度を目標に本導入を開始予定とのこと。実績ができれば農業分野だけでなく、不審者侵入などの防犯や観光客の安全確保にも応用が期待される。自治体と民間企業が連携し持続可能な共存の仕組みの構築やハイテク技術を応用することで、地域課題や人員不足の解決につながることを期待したい。
プレスリリース