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AI

2025.02.19 10:30

AIツールの理想と現実のギャップを埋めるFuture AGIの信頼性評価プラットフォーム

Shutterstock.com

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人工知能(AI)の性能は、誰が評価するのだろうか。その役割を担おうとしている企業の1つが、サンフランシスコに本拠を置くFuture AGIだ。同社は2月11日、プレシードラウンドで160万ドル(約2億4000万円)を調達したと発表した。同社が開発した評価・最適化プラットフォームは、顧客のAIアプリケーションの精度の向上に貢献するという。

そのようなツールは、確かに切望されている。あらゆる企業がAIの可能性に大きな期待を寄せている一方で、多くのプロジェクトが失望に終わっている。ガートナーの調査によると、AIプロジェクトの約85%は、回答の正確性や信頼性の問題により、ユーザーの期待に応えることができていないという。

Future AGIの共同創業者でCEOのニヒル・パリークは、同社のプラットフォームが誇大広告と現実のギャップを埋めることができると考えている。このプラットフォームは、AIモデルが生成するテキストや画像を評価するプロセスを自動化し、反復処理によりモデルに結果を再学習させ、信頼性を向上させている。

「我々は、モデルの回答をチェックし、誤りを修正する手助けをする教師の役割を担っている。我々はAIシステムがマルチモーダルな処理をする上で、継続的に監視、評価、改善するデータレイヤーを開発している」とパリークは話す。

Future AGIは、企業などの組織がAIアプリケーションをより迅速に立ち上げ、効果的に実行できるようにすることを目指している。現状では、多くの組織がAIアプリケーションのベースとなっているモデルの信頼性を向上させるために手作業でチェックを行っている。これには数カ月を要することもあり、テクノロジーの価値が損なわれている。

パリークと共同創業者のチャル・グプタは、このプラットフォームを開発するために約30人のAIや機械学習の研究者とエンジニアを採用した。Arize AIやGalileo AI、Athina AI、Raga AI、Arize、Fiddler AIなどの競合が同様のツールを開発する中、パリークたちは、AIアプリケーションの問題の根本原因を特定し、アクショナブルな改善提案ができることが差別化のポイントであると主張する。

現在、Future AGIは商業化を進めている段階で、複数の潜在顧客とパイロットプロジェクトを実施している。例えば、大手小売業者とはより効果的な広告キャンペーンの制作で協業している。また、クリエイティブ業界のクライアントは、AIが生成するビジュアルと顧客からの指示との整合性を高めることにFuture AGIのツールを活用している。

パリークによると、多くの業界がAIのより積極的な活用を目指しているという。「AIは新たなソフトウェアになりつつあるが、幅広く普及する上で、信頼性と精度が重大な課題となっている。現状のAIシステムは確率的でエラーが発生しやすく、改善サイクルには6~8カ月を要する」と彼は言う。

AIの精度と信頼性を確保

Future AGIはライバル企業との競争に直面しているが、同社に出資した投資家たちはその成長性に期待している。今回のプレシードラウンドは、Powerhouse VenturesとSnow Leopard Venturesが主導し、AngelList Quant Fund、Swadharma Source Ventures、Saka Venturesのほか、テック業界出身のエンジェルが投資家が30人以上参加した。

「AIは急速に進化しているが、AIアプリケーションの精度と信頼性を確保することが企業にとって最大の課題の1つとなっている。Future AGIは、AIライフサイクルを管理する包括的なプラットフォームを通じてこの課題を解決しようとしており、その革新的なアプローチによって差別化を図っている」とPowerhouse Venturesのゼネラル・パートナであるスリ・ペドゥは話す。

Future AGIは、年内に売上高100万ドル(約1億5200万円)の達成を目指しており、今回調達した資金を市場に投入する機能の開発に充当する計画だ。「我々は、信頼できるAIの基盤となるレイヤーになる準備が整っている。業界の最も差し迫った課題に対処し、企業がAIシステムの潜在能力を最大限に引き出す支援を行っていく」とパリークは語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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