この調査は、長期に渡るもので、ハーバード大学医学部の主要な教育関連機関であるブリガム・アンド・ウィメンズ病院の協力を得て実施される。アップルによる今回の調査は、消費者向けのウェアラブルガジェットなどを通じてさまざまな分野のデータを収集するもので、同社がこれまで行った研究プロジェクトに比べてはるかに広範なものとなっている。
アップルによると、調査は日常的なアクティビティや老化、心臓血管、循環器、認知、聴覚、月経、メンタルヘルス、睡眠などの健康と病気に関する幅広い分野を網羅しているという。調査結果は、今後の同社のプロダクト開発への活用に加えて、コンシューマーテックを医療に役立てる方法の検討に用いられるという。
「人間の体は、健康状態の変化に応じてさまざまな信号を発している。例えば、聴覚の健康状態の変化を早期に発見することで、認知機能の低下のリスクを減らすことができる」とアップルは2月12日の声明の中で述べている。
同社は、昨年11月にiOS 18のアップデートを通じてAirPod Pro 2向けのヒアリングサポート機能の提供を開始した。これにより、ユーザーは補聴器の数分の一のコストで聴覚補助機能を利用できるようになった。
AirPod Pro 2は聴力検査に使用でき、装着者に合ったプロファイルを作成することができる。「当社は、Researchアプリをリリースして以来、多くの貴重なインサイトを得ることができた。これによりApple WatchのVitalsアプリや、iPhoneの歩行安定性機能など、革新的なツールをユーザーに提供することができている」とアップルのヘルスケア部門のバイスプレジデントを務めるサンブル・デサイは述べている。
アップルは、これまで聴覚や女性の健康、運動能力、心臓の健康に関する調査を実施し、これらの分野に関する3つの研究結果を2019年に発表した。
同社は、2024年にはiPhoneを通じて収集したデータを利用した耳鳴りの大規模調査「Apple Hearing Study」の予備的な調査結果を発表した。それによると、参加者の78.5%が耳鳴りを純粋な音として感じており、音量については8.8%が「非常に大きい」、もしくは「あり得ないほど大きい」と回答していた。
