サイエンス

2025.02.26 16:00

人類史上最初の長距離通信システム、歴史に残る「伝書鳩の活躍」3例

インターネットや電話が普及する以前、人々は遠く離れた場所へ重要な報せを伝達する手段を伝書鳩に頼っていた。この記事では歴史に残る3つの伝書鳩活用例をご紹介する(Shutterstock.com)

2. ロイターが使った「金融ニュースを伝える鳩」

ポール・ジュリアス・ロイター(1816-1899)はロイター通信社の創設者であり、世界中のニュースを配信するためにいち早く電気通信を採用した一人である。例えば、ロンドンとパリを結ぶ新たに敷設された電信線を利用して、株式相場を国際的に配信した最初の人物だった。

ロイターはロンドンに移る以前、ドイツのアーヘンで通信社を経営しており、ベルギーのブリュッセルとアーヘンの間で情報をやり取りするために伝書鳩を使用していた。これによって、ベルリンとパリの間でまだ電信線がつながっていなかった区間のギャップを埋めることができた。伝書鳩のおかげで、郵便列車を使うよりも早く、ロイターはパリ証券取引所の金融情報を入手できた。電信線ネットワークが完成すると、伝書鳩の活用は時代遅れとなっていく。

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3. ニュージーランド本土とグレートバリア島を結ぶ「伝書鳩郵便」

ニュージーランドのグレートバリア島と本土を結ぶ伝書鳩を使った通信は、同国の郵便史における興味深い一章だ。この独自の通信システムは、まだグレートバリア島に直接つながる電信線や信頼できる郵便サービスがなかった20世紀初頭に使用されていた。

オークランドの沖合約60キロメートルに位置するグレートバリア島では、本土とやり取りする手紙を運ぶために、訓練された伝書鳩の群れが使われていた。 鳩は島とオークランドにある鳩舎の間を飛ぶように訓練されており、その足にはメモが書かれた紙片を入れた小さな円筒が括り付けられていた。鳩舎に戻ると係員がこの通信文が回収するという仕組みだ。鳩たちは自分の巣を目指して飛びながら、ニュースや手紙、時には公式文書さえ配達した。

長い距離を隔てた場所へ手紙を送るため、人々は注意深く紙片を丸めて小さな防水の円筒に入れ、軽量なバンドで配達する鳩の足にしっかりと取り付けた。鳩が敏捷に飛べるように、そして手紙を無傷で届けられるようにするためだ。

この伝書鳩郵便サービスは船の到着を待つよりも速く、緊急の知らせを届けるために不可欠だった。これは世界で最後の伝書鳩を使った通信システムの一つであり、最終的には近代的な通信手段の出現によって使われなくなった。

forbes.com 原文

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翻訳=日下部博一

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