さらに、別の2人の関係筋によると、ヘグセス長官のコスト削減戦略にはシリコンバレーの人材の活用が含まれており、先週、彼はAI関連のユニコーン企業、Scale AI(スケールAI)のアレクサンダー・ワンCEOと会談したという。データのラベリングサービスを提供するScale AIは、すでに3億ドル(約458億円)を超える契約を米政府と結んでいる。
ワンはまた、先日開催されたシリコンバレーの国防テクノロジー企業のトップが集まった軍事AIサミットにも出席していた。この会合は、インド太平洋軍が主催したもので、フォーブスが入手した出席者リストによると、Anduril(アンドゥリル)やPalantir(パランティア)に加え、OpenAIなどの企業の代表が参加していた。また、クラウド大手のアマゾンやマイクロソフト、グーグルも出席していた。
元ウーバー幹部がDARPAを監督
一方、少なくとも1人のテクノロジー業界のリーダーが国防総省に加わる予定だ。元ウーバー幹部のエミール・マイケルが、トランプ大統領によって研究及び工学担当の国防次官に指名され、40億ドル(約6100億円)の予算の管理を一任される国防高等研究計画局(DARPA)を監督する。トランプは、マイケルの任命にあたって、彼が米軍のテクノロジーと兵器が「世界で最も高度なものであることを確実にする」と同時に、「納税者のために大幅なコスト削減を行う」と述べていた。さらに、米軍が高価な兵器システムを放棄し、低コストのドローンに置き換えるための協議が進むにもかかわらず、防衛関連の大手はヘグセス長官もよる大型プロジェクトの恩恵を受ける可能性がある。例えば、トランプ政権が進めるミサイル防衛システム計画の「アイアンドーム」は、ロッキード・マーティンやRTXなどの企業に数十億ドルの契約をもたらす可能性がある。
ロッキード・マーティンのジム・タイクレットCEOは、先日のアナリスト向け会議で、「今では巡航ミサイルをレーザーで撃ち落とすことが可能だ」と述べたうえで、「私は、DOGEの取り組みや官僚主義を縮小しようとする政権の努力を歓迎する」と述べていた。
DOGEがこれまで政府機関にもたらした最も劇的な変化は、年間予算が約400億ドル(約6兆1000億円)とされる対外援助機関の国際開発局(USAID)の崩壊かもしれない。しかし、ヘグセスは自らが率いる組織への懸念を和らげようとしている。
「国防総省は、USAIDとは違う。彼らは、数多くの問題を抱えており、特に米国第一主義とは相容れないグローバリスト的な目標を追求していた」と、ヘグセスは同局を批判した。
(forbes.com 原文)