「ゴールデンチャイルド(黄金の子/自慢の子)」はしばしば、家族の中の「ブラックシープ(厄介者)」と対照を成す。彼らは通常、両親にとって最大の誇りであり、喜びであり、そして、ほかの全員が見習うことを期待される輝かしい基準だ。
これは、完璧な子ども時代を送るための公式に思えるかもしれないが、驚くことに、ゴールデンチャイルド自身も苦しんでいる。家族のブラックシープと同じように、彼らは、貼られたレッテルに対して何も言うことができず、多くの場合は、とてつもなく高い期待に応えなければならないというプレッシャーを感じているのだ。
俗説とは裏腹に、ゴールデンチャイルドは恵まれているわけではない。世界は、彼らにとっても、やはり残酷な場所であり得る。彼らはしばしば、愛情を得るためには体面を保たなければならない、と教え込まれている。
研究によれば、あなたがゴールデンチャイルド症候群かもしれないことの兆候は以下の3つだ。
1. 兄弟姉妹と緊張関係にある
ゴールデンチャイルドとして育つと、兄弟姉妹とのあいだに暗黙の緊張感が生まれることがある。あなた自身は気づかなかったかもしれないが、おそらく兄弟姉妹はえこひいきの存在を感じており、それが不満や対抗心につながる。こうした力学は必ずしも、あなたの行動に原因があるわけではない。多くの場合は、両親が家族構造の中で、あなたをどのように位置づけていたかが原因だ。
学術誌『Family Journal』に発表された研究によれば、機能不全家族において子どもたちは、さまざまな役割を押し付けられることがある。例えば、ヒーロー、スケープゴート(身代わり)、ロストチャイルド(忘れ去られた子ども)、マスコット、ケアテイカー(世話役)、マスターマインド(黒幕)などだ。
ゴールデンチャイルドの場合、大人になってから、兄弟姉妹との関係がぎこちない、あるいは複雑だと気づくことになるかもしれない。兄弟姉妹はおそらく、あなたを両親の「お気に入り」として見ているが、あなたは内心、重荷を背負っている。無理な期待に応え続けない限り安心することはできない、という重荷だ。
こうした緊張関係は、単なる嫉妬によるものではない。両親のえこひいきによって、1人の子どもが称賛され、ほかの子どもが悪者扱いされることで、兄弟姉妹で対立するようになったときに生じる感情的な溝の表れだ。