Xは、当時のツイッターのジャック・ドーシーCEOがすでに退任しているにもかかわらず、1000万ドルをトランプに支払うことになる。ツイッターは当時、トランプが1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件について投稿した内容が「暴力の賛美に関するポリシー」に違反したことを理由に、アカウントを停止していた。
トランプは当時、ツイッターやフェイスブック、グーグルを提訴し、これらの企業が自身の発言を検閲したと主張していた。
WSJが報じた関係筋の証言によると、トランプの弁護士は、マスクが昨年の大統領選の以前からトランプへの支持を明確にしていたため、この訴訟の取り下げを検討していたという。マスクは、昨年のトランプの選挙キャンペーンに2億ドル(約308億円)以上を投じていた。
ツイッターは当時、トランプの2つの投稿がアカウントの凍結の理由だと説明していた。その1つは、「私に投票した米国の愛国者がどのような形であれ、軽視されたり不当に扱われたりすることはない!!!」というものだった。もう1つは、バイデン大統領の就任式に出席しないという内容だった。
ツイッターは、議事堂襲撃事件の2日後に行われたこれらの投稿を、暴動への支持と解釈し、その後のバイデン元大統領の就任式において「さらなる暴力行為を促す可能性がある」と判断していた。
Xが支払う和解金が、どこに向かうのかは明らかになっていない。先月、メタ(旧フェイスブック)がトランプと類似の訴訟で和解した際の和解金の2500万ドル(約39億円)のうちの2200万ドルは、トランプの大統領図書館の基金に用いられると報じられた。
トランプとXとの和解は、メタがトランプから起こされた同様の訴訟で先月、2500万ドルを支払う和解案で同意したことに続くものだ。トランプのフェイスブックとインスタグラムのアカウントも、議事堂襲撃事件の後に停止され、メタのマーク・ザッカーバーグCEOは当時、トランプが「支持者の行動を非難するのではなく容認した」と非難していた。
トランプのアカウントは、その後すべてのプラットフォームで復活し、ザッカーバーグはトランプとの関係を深めている。マスクは大統領選の以前からトランプを支援し、現在はトランプ政権の政府効率化省(DOGE)のトップを務めている。
ザッカーバーグは、選挙前にトランプを公に支持しなかったものの、昨年夏の暗殺未遂事件の後にトランプを「凄いやつだ」と評したとされ、その数カ月後にはトランプの大統領就任式基金に100万ドルを寄付していた。マスクとザッカーバーグは、先月のトランプの就任式で目立つ席を与えらていた。
(forbes.com 原文)