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市場とジェネレーションYのお金に関する差し迫った問題に注目

Swipecastのスクリーンショット。(Photo by Swipecast)

モデル業界の仕事の進め方は効率が悪過ぎる————。
ピーター・フィッツパトリックはモデル事務所のSilent Models NYを設立した5年前、業界の慣習に衝撃を受けた。「モデルのスカウトや売り込みから、クライアントの間のやり取りに至るまで、あらゆる段階において無駄な作業が多い」と彼は言う。

そこで彼は無駄を省くためにアプリをローンチした。Swipecastはモデルとフォトグラファー、デザイナー、スタイリスト、小売店などをマッチングするモバイルアプリだ。

仕組みは単純だ。クライアントは画面上のルックブック(モデルのファッション写真を並べたカタログ)をスワイプし、撮影に使いたいモデルを見つけたら、直接本人にメッセージを送って仕事を依頼。報酬はアプリ経由で支払い、モデルは仕事終了と同時にそれを受け取る。

女性モデル業界は市場規模40億ドル(約4兆9570億円)といわれるが、近い将来には男性モデルやヘア&メイクアップアーティストなども取り込みたいとフィッツパトリックは考えている。そうすれば200億ドル(約24兆7800億円)の市場規模を狙えるという。

業界の慣例では、モデルは所属事務所を通して仕事を受ける。報酬の約3分の1は事務所に行き、モデルに支払われるのは何ヶ月も先だ。またスケジュールも事務所が管理しており、週に数日しか仕事がないモデルも多い。ニューヨーク労働局の統計によると、モデルの平均年収は43,579ドル(約540万円)。だがSwipecastを活用すれば、モデルは空いた日に仕事を入れることができ、10%の手数料を除いた報酬の大半を受け取れる。

もちろんクライアント側にもメリットがある。アルマーニ・エクスチェンジや中国版「ハーパーズバザー」誌などのスタイリングを手がけるケイティ・バーネットは、「仕事を依頼する前にモデルと直接チャットできるのがいい」と言う。「モデルの人柄や仕事のやり方を事前に把握できるので助かっている」

経費を最小限に抑えられることもクライアントにとって大きな利点だ。たとえばロケ場所の近くに住むモデルを探して雇えば、飛行機代、タクシー代、ホテル代などに大金を費やす必要はなくなる。
「モデルの交通費に3000ドルもかけるより、ローカルのモデルを1日500ドルでキャスティングできる」とフィツパトリックは言う。駆け出しのスタイリストやフォトグラファーには、金銭のかわりに洋服や小物で支払うオプションもある。

Swipecastはセキュリティの面でも他のサイトと一線を画している。クライアントがモデルをブッキングするためには、クレジットカード番号や企業のメールアドレスを含む個人情報を提示しなければならない。また、相互評価のシステムにより、違法行為などを働いたクライアントはすぐに駆逐される。近年、プロのモデルやフォトグラファーが登録する同種のサイトModel Mayhemがレイプ犯を放置していたとしてモデルから訴えられるスキャンダルがあったが、セキュリティはSNSの重要事項だ。

実際、フィッツパトリックはモデルがSwipecastをSNSとして利用することを望んでいる。特に複数の国を飛び回り、電話番号が頻繁に変わるモデルにとって、SNSは不可欠だ。クリスチャン・ディオール、グッチ、カルバン・クラインなどのショーに出演するモデルのレイチェル・フィニンガーもSwipecastを主に社交目的で利用している。
「Swipecastが素晴らしいのは、単なるモデルの営業ツールではないところ。仕事で出会った人たちと撮影後も連絡を取り合うのに便利」と彼女は言う。

Swipecastのソーシャルな側面は、インスタグラムのフォロワー数がさほど多くないモデルの強力な味方になるだろう。Swipecastのマーケティングチームの一員であるモデルのカイア・コングスリは、「このアプリはSNS上で無名のモデルでも自己アピールできる場所」だと言う。

つまり、インスタグラムではフォロワーの数が少ないと滅多に注目されないが、Swipecastは登録して写真をアップロードさえすればフォトグラファーに見出されるチャンスがあるのだ。大手のモデル事務所に所属していない地方在住のモデルにも、予期せぬ出会いが訪れるかもしれない。一方、モデルをキャスティングする側は、モデルの全身のサイズ、目と髪の色、地域、インスタグラムのフォロワー数などによって人材を検索することができる。またアプリ運営側がキュレートする「トップ・ランウェイモデル」や「トップ・スポーツ&フィットネスモデル」といったコーナーもある。

このように多くの面で革新的といえるSwipecastだが、従来のモデル事務所に取って代わる存在にはならないとフィッツパトリックは見ている。「私たちが狙っているのは、現存するマーケットに加えて、まだ見ぬマーケット。世間でまだその存在が知られていないマーケットだ」と彼は言う。

たとえばフロリダ州のジャクソンビルのような街も彼のターゲットのひとつだ。ファッション業界ではほとんど注目されていないが、そこにはモデルを必要とするフォトグラファーや小売業者がいる。あるいはブラジルやスカンジナビアなど、多くのモデルを排出している地域でアプリを展開するプランもある。今後、どのような展開があるにしろ、Swipecastの行方から目を離せない。

編集=海田恭子

 

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