今回の最新研究では、ムオンノン(Muong Nong)型のテクタイトの内部に保存された鉱物粒子の分析により、発生源が存在する可能性のある範囲にさらなる制約を加えることができた。ムオンノンは、特定の地域で見られるオーストラレーシアテクタイトの一種で、ラオスにある最初の発見地の地域名にちなんで命名された。フランス人地球化学者アンヌ・マギャリー・セドゥ・ギヨームが率いたこの研究では、火成岩に多く含まれる鉱物のモナズ石を分析した。2050度超の温度に耐えられる高い融点を持つため、天体衝突時に化学変化が起きなかったか、起きたとしてもごくわずかだった可能性が高い。研究チームは、このモナズ石の化学組成を、中国、ベトナム、タイ、カンボジア、フィリピンでそれぞれ採取された岩石サンプルと比較した。
オーストラレーシアの衝突クレーターは、フィリピン、中国南部沿岸地域、ベトナム北部からなる三角地帯の中を探索するべきだと、今回の研究結果は指摘している。しかし、最後のベトナム北部については、他の2カ所に比べて可能性は低いと思われる。今回の研究は、衝突地点の正確な位置を示すのではなく、衝突地点が沖合の大陸棚に位置している可能性を明らかにするものだ。そうだとすると、衝突地点は海に運ばれる河川堆積物で完全に埋もれている可能性があり、クレーターの発見が遅れている理由の説明がつく。
現在知られている地球の衝突クレーターの総数は約200個。現存する衝突構造の大部分は、形成年代が2億年未満で、5kmより小さい構造はごく少数しか存在しないと考えられる。侵食作用により、衝突クレーター(特により小型のもの)が短期間で消去・埋没する傾向がある。特に、断層帯の近くや海底などの地殻変動が活発な地域では、衝突の痕跡が最終的に破壊されてしまう。
今回の研究結果をまとめた論文「Clues on the Australasian impact crater site inferred from detailed mineralogical study of a monazite inclusion in a Muong Nong tektite」は、学術誌Geologyに掲載された。論文はここで閲覧できる。
(forbes.com 原文)


