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日本でも根強い人気を誇る老舗ライターブランドの「ジッポー」。世界的に喫煙に対する目が厳しくなるなか、同社は記録的な売り上げを達成している。オヤジ経営者たちの奮闘で、名門の「灯」はまだまだ消えない。

「まだ商売は大丈夫か?」

 ジッポーの3代目オーナー、ジョージ・ブレイズデル・デュークは決まってこう聞かれる。誰も悪気があるわけではない。ただ、アメリカ人が以前ほどタバコを吸わなくなったからだ。
 だから、「世界で最も有名なライター製造会社が、こんなに心配をされるのも無理はない」と、デュークは思っている。
 そんな彼の答えは、いつも同じだ。今日もオフィスの机に置かれたマールボロと波模様が彫り込まれた愛用のジッポーに手を伸ばし、次のように断言する。
「もちろん、大丈夫さ。ビジネスは絶好調だよ」

 本当に絶好調なのだ。1950年代のタバコ全盛期に比べてアメリカの喫煙人口が50%も減少しているにもかかわらず、ジッポーは昨年2億ドル(約200億円)を超える過去最高となる売り上げを記録し、今年の6月には月間売上高が史上最高に達した。フォーブスの試算では、ジッポーの売り上げはここ3年で平均14%も伸びている。これは、非喫煙者のCEOグレッグ・ブースの経営手腕によるところが大きい。
 ブースは創業82年を迎えたジッポーの伝説のライターを若者世代に売り込み、中国でのビジネスを拡大した。ジッポーブランドをアピールした衣料品やアウトドア用品の発売、同社初の小売店の展開などが売り上げを押し上げている。専門誌「タバコ・レポーター」の編集者、ティモシー・ドナヒューは「ジッポーはブランドイメージを守りつつ、事業の多角化も積極的に進めている」と分析する。

(中略)
デュークは現在の経営状況に満足しており、15年末に予定されるブースの退任を思うと不安に襲われるほどだ。後任には、社内の人間が就く可能性が高い。デューク自身は引退するつもりはないが、20代の2人の息子に後を継がせることには前向きだ。すでに息子の1人は大学在籍中に、ライターの新たなデザインを考案して実績を上げている。
 手の中でジッポーのライターを転がしながら、デュークはタバコを深く吸い込み、そしてこう言った。
「これは金属の箱にすぎない。でも、この箱でかなりのことができるんだ」

エイブラム・ブラウン

 

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