海外

2025.02.13 09:30

「AI創薬」で注目の中国新興XtalPi、EV向け「全固体電池」開発支援へ

中国深セン市(Shutterstock.com)

アルゴリズムで創薬を迅速化

クリスタルパイは、創薬プロセスにおいて極めて重要な細胞の相互作用の予測精度を向上させる量子物理学アルゴリズムを強みにしようとしている。同社は、このアルゴリズムを用いて分子構造を計算し、その結果得られたデータセットでAIモデルを訓練する。さらに、このAIモデルで数十億もの分子をスクリーニングし、新薬の候補となる分子を生成する。
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AI創薬分野における同社の競合にはInsilico Medicine(インシリコ・メディシン)やエヌビディアが支援するRecursion Pharmaceuticals(リカージョン・ファーマシューティカルズ)らが挙げられる。しかし、クリスタルパイは、これらの2社とは異なり、独自の医薬品を開発するのではなく、創薬の初期段階を加速させる独自のアルゴリズムを提供する。温によれば、このアルゴリズムは、疾患プロセスに関与する特定の分子(創薬ターゲット)と相互作用し、治療効果をもたらす可能性のある分子を特定し、それらを最適化してヒト臨床試験に適した形にする。これにより創薬プロセスを約50%短縮できるという。

2022年に登場したOpenAIのChatGPTは、医療分野におけるAIへの期待を再び高める契機となった。温は、2024年のノーベル化学賞がグーグルのAI開発部門、DeepMindに所属する研究者のジョン・ジャンパーらに授与されたことが、医療分野におけるAIの可能性を示していると考えている。ジャンパーは、DeepMindの共同創設者でCEOのデミス・ハサビスとともにタンパク質の立体構造を予測するAIモデル、AlphaFold(アルファフォールド)の開発を主導し、創薬や化学品開発に大きな影響を与えたことを評価された。

温はまた、米国のイーライリリーを含む時価総額で世界トップ10の製薬企業がすべて、社内の開発やスタートアップとの提携を通じてAIに投資していることを指摘した。
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「最も難易度の高い創薬に取り組んでいる製薬大手はすべて、AIを活用している。AIは、製薬業界や材料開発の分野で不可欠なツールになる。誰もが使う必要があるし、使わなければ、他社より非効率になる」と彼は語る。
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編集=上田裕資

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