ミラージュは対地攻撃任務もこなすかもしれない。フランスの経済紙ラ・トリビュンヌによれば、ウクライナ空軍のミラージュ2000-5はMICA(ミカ)空対空ミサイルのほかに、SCALP-EG、さらに、同じくフランスからウクライナに供与されているAASM「ハマー」滑空爆弾も搭載できるように微調整が加えられるとされる。
SCALP-EGはウクライナにとって非常に重要な装備だ。輸出仕様で制限されているとはいえ射程が250kmあり、バンカーバスター型のタンデム弾頭を搭載する重量約1300kgのこのミサイルは、ロシア軍部隊の「急所」である指揮所を攻撃できる。
ウクライナ軍はこの数カ月、逆侵攻先のロシア西部クルスク州で、多大な労力を注いでロシア海軍第810独立親衛海軍歩兵旅団の指揮所を見つけ出しては攻撃してきた。先週、650平方kmほどの突出部の南東方面で新たな反攻を始めた際、現地のウクライナ軍部隊が兵員と火力を集中させたのが、疲弊し混乱した同旅団が配置されている区域だったのは偶然ではない。
ミラージュが役に立つのは、搭載できる最も高性能なミサイル・弾薬が豊富にある場合に限られるだろう。ウクライナがSCALP-EGとその英国版のストームシャドーをフランスと英国、イタリアからこれまでに何発得たのかは不明だ。もしかすると100発に満たないかもしれない。これまでの激戦で費やしたあと、あと何発残っているのかもわからない。
フランスは追加で送ろうと努力している。フランス政府は今年、SCALP-EGの新バッチを含む軍需品の調達に19億ユーロ(約3000億円)を割り当てた。フランスのガエル・ベシエール駐ウクライナ大使はウクライナの通信社のインタビューで「引き続きSCALPを供与していく」と言明している。ただ、フランスが現在保有している数がそれほど多くなく、さらに購入しなくてはならないため「時間がかかる」とも説明している。
ウクライナは自国でも縦深打撃用弾薬を開発している。初期にはSu-24戦闘爆撃機など旧ソ連製の機種でテストしているが、いずれミラージュ2000-5などにも搭載可能になるかもしれない。そうなれば、SCALP-EGの在庫が枯渇してもミラージュは攻撃任務を続けられるようになるだろう。
(forbes.com 原文)


