そうしたゴースト・ジョブの掲示は、企業側が申し分ない候補者を見つけ、採用が決定した後でも、形式としてそのままになっている可能性があるという。場合によっては、採用予定がないのに、様子を見るためだけに掲載している企業もある、とデュリスは話す。偽の求人募集を掲載していることで、求職者からの信頼を失うおそれがあるため、企業側はこうした行為について注意すべきだ、とデュリスは述べる。
デュリスは、「ゴースト・ジョブを見抜く方法はいくつかある」と話す。「求人情報欄に日付が明記されていない場合や、掲載日から何カ月も過ぎている場合は要注意だ。通常、大半のポジションは、もっと早い段階で埋まるものだ。採用担当者がただ単に求人情報サイトから募集を削除し忘れ、そのままになっていることも多いが、意図的にそうなっているケースも、時にはある」
デュリスはさらに、Indeed(インディード)などの求人情報サイトでは募集されていても、会社の公式サイトには情報がない場合も注意が必要だと話す。「募集中かどうか確信がもてないなら、メールか電話で会社に直接問い合わせ、そのポジションがまだ空いているかどうかを確認するのがいちばんだ」とデュリスは言う。「その会社の社員と話をすれば、その時点でどのくらい真剣に採用を検討しているかがわかる」
最後に
若い世代の従業員は、経験豊富な従業員とは異なる価値観をもっている。Z世代は、必ずしも先輩の先例に倣わなければならないとは思っておらず、従来の職場におけるプロフェッショナルとしてのやり方に従おうとはしていない。Z世代専門調査会社dcdxの創業者兼CEOで、自身がZ世代でもあるアンドリュー・ロスに話を聞いたところ、彼らZ世代にプロ意識がないわけではないという。ロスによればZ世代は、中間地点で歩み寄ることを望んでいる。そして、彼らが雇用主を尊重するのと同じレベルで、雇用主から尊重を受けることを望んでいるという。
ロスはこう主張する。「いまは、組織のつながり全体にわたって、押したり引いたりしながら、全体的なリーダーシップや文化、職場が共同的に構築されている。トップダウンで、上から下に押しつけるだけではない」
しかし、お互いが歩み寄ることなく、キャリア・キャットフィッシングやオフィス・ゴースティングといった、人を欺くようなことをしていては、世代間の対立が悪化し、雇用主と従業員の信頼関係と協力関係を損ねることにしかならないのは明らかだ。
(forbes.com 原文)